今シーズンも独走態勢で前半戦を首位で折り返したリヨン。しかしリーグ6連覇に加え、チャンピオンズリーグ制覇という悲願を達成するには、攻撃陣に故障者が続出するという問題を抱えている。

1試合平均2点を上回る圧倒的な得点力を誇った前半戦のリヨンだが、その裏にはフレジ、ベンゼマ、ビルトール、カリューと4人のフォワードが代わる代わる戦線を離脱する苦難もあった。年明け最初の練習に姿を現したのは、この中でビルトールだけ。すでに12月後半からトレーニングを再開していたベンゼマも再検査のため練習を欠席している。

そこで、解禁となった冬の移籍市場でがぜん注目を浴びているのが、新たなストライカーのリヨン入り。前々から報じられているのは、サンテチエンヌのフレデリック・ピキオンヌ(28)だ。リーグ・アンには2001年にレンヌからデビュー、これまで172試合に出場し41得点(今シーズンは18試合、6得点)を記録している。

2日付けの「レキップ」紙によると、リヨンは、サンテチエンヌに対して550万ユーロ(約8億6800万円)のオファーを出したことを正式に認めた。サンテチエンヌ側は「リーグ屈指のフォワードに対してこの額は馬鹿にしている」と反応。さらにオファーがあったのは先月22日のマルセイユ戦の直前(19時)で、“かく乱”を狙ったものだ」と敵意をむき出しにしている。
一方リヨンは、「550万ユーロの移籍金に加えて、カップ戦に優勝した場合のインテンシブをつける提案もしている」とサンテチエンヌ側による故意の「言い忘れ」を指摘した。

 いずれにせよ、現在リーグ4位につけるサンテチエンヌとしては、来季のチャンピオンズリーグ出場圏内(3位以上)に入るためにピキオンヌは不可欠な戦力。「よほどのオファーがない限り、ピキオンヌは出さない」との構えだ。