リバプールのFWピーター・クラウチの去就が注目を集めている。29日の英国各紙は、この長身FWの獲得に興味を示すニューカッスルのグレン・ローダー監督が、1月の移籍マーケット解禁を前に、1200万ポンド(約28億円)の資金を準備していると報道。さらに、リバプールのラファエル・ベニテス監督は、バレンシアのFWダビド・ビジャを獲得リストのトップに挙げており、クラウチの放出で獲得資金を捻出する考えを持っているとも伝えられた。

 しかし、クラウチの移籍については、両監督ともに否定。ローダーは、「正直に言って、もしクラウチがニューカッスルに来たら、私は驚くだろうね。この話については、私より詳しい人がいるんじゃないか? だって、私の知る限りでは、彼の獲得について話し合いを持ったことすらないのだから」と、単なる噂にすぎないことを強調した。

 一方のベニテスは、ビジャに対する興味を否定し、クラウチがチームに不可欠な存在であると語っている。

「はっきり言わせてもらうが、我々はビジャを獲得することもないし、ピーターを放出することもない。たしかにビジャは素晴らしい選手だ。しかし、この冬に獲得するつもりはない。それに私は、ピーターのハードワークを高く評価している」

 放出を否定したベニテスだが、ディルク・カイトやクレイグ・ベラミが加入した今シーズンは、クラウチの出場機会が激減しているのも事実。また一方で、マイケル・オーウェンやショラ・アメオビなど、攻撃陣に負傷者を抱えるニューカッスルは、ストライカーの獲得が急務だ。両クラブ間の利害関係は一致しているだけに、クラウチ本人の意向次第では、1月中の電撃移籍が発表される可能性もありそうだ。