2006年最後の試合となった30日のフルアム戦を2−2の引き分けで終えたチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は、リーグ戦4試合連続で2失点を喫した守備陣の状態を嘆いた。

 63分にFWディディエ・ドログバのゴールで2−1とリードを奪ったチェルシーだったが、腰の負傷でキャプテンのジョン・テリーを欠くディフェンスラインに安定感を欠き、84分に失点すると、試合はそのまま終了。レディング戦に勝利した首位マンチェスター・ユナイテッドとの勝点差が6にまで広がり、さすがの闘将モウリーニョも自信を失いかけているようだ。

「残念な結果だったが、驚くほどではない。今のチェルシーが守れないことは、誰の目にも明らかだ。もしかしたら、我々は自分たちが思っているほど強いチームではないのかもしれないし、私はそれほど優秀な監督ではないのかもしれない。ウチがミスを重ねるたびに、相手がチャンスを嗅ぎつける。すこし前なら、ウチの守備は絶対に崩せないという印象を相手に与えることが出来ていたのだが…」

 さらに、このポルトガル人監督は、屈強なフィジカルが要求されるプレミアリーグの厳しさを痛感しているようだ。

「(テリーの代わりにCBを務めた)パウロ・フェレイラは、本職ではないCBで、出来る限りのプレーをしていた。ウチの第3GKであるイラリオも最善を尽くしている。リカルド・カルバリョにしても、現在唯一のCBとして、最大限の力を出している。他の国であれば、この守備陣でも問題はない。チャンピオンズ・リーグであっても戦えるはずだ。しかしこの国では、背が高くて屈強なFWがほとんどだ。ウチの選手はそういった状況に適応できずにいる」

 今シーズンのチェルシーは、GKのペトル・ツェホや大黒柱のテリーなど守備陣にケガ人が続出し、昨シーズンであれば考えられないような失点を喫するケースも多い。1月の移籍市場における補強について、「新戦力が欲しいかと聞かれれば『イエス』と答えるが、チェルシー相手に並の選手を大金で売ろうとするクラブが多い。それならば、早くツェホとテリーに戻って欲しい。世界最高のGKとDFに復帰して欲しい」と答えたモウリーニョ。リーグ3連覇に黄信号が灯った王者を立て直すことができるか。闘将の手腕が試されている。