26日のレディング戦で2−2のドローを演じ、首位マンチェスター・ユナイテッドに勝点差を4にまで広げられたチェルシー。DFジョン・テリーが離脱した影響もあり、守備面での不安が目立っている。指揮官のジョゼ・モウリーニョも、守備の要を務めるキャプテンの不在に加え、シーズン序盤で離脱したGKペトル・ツェホの穴の大きさを認めている。

「ペトルとジョンの不在は、簡単に解決できる問題ではない。特に、センターバックの駒不足は深刻だ。我々は、夏にウィリアム・ガラス(現アーセナル)とロベルト・フート(現ミドルスブラ)を放出した。ベンチに控える選手の数が十分ではない。今までのチェルシーなら、3試合連続無失点など普通だった。でも、今では3試合で6失点するのが普通だ。勝つためには、1試合で3ゴールが必要になっている。だが、いつでも点が取れるとは限らない…」

 守備陣の選手層に問題を抱え、珍しく不安を漏らしたモウリーニョ。それでも、逆転優勝には自信タップリの様子だ。

「優勝争いはまだ始まったばかり。マンチェスター・ユナイテッドとの差は、たった4ポイントだ。逆転は現実的だよ。直接対決を残している限り、3ポイントの差はないものと考えていい。それよりも、次のフルアム戦と、アストン・ビラ戦に集中しなくてはならない。非常に厄介な2チームだし、もうすぐFAカップも始まるからね。でも、今後2、3週間の間に、離脱中の選手が戻ってくるはずだ。そうすれば、逆転も可能だ。とにかく、フルアム戦とビラ戦に集中しなくては」

 30日のフルアム戦、そして1月2日のアストン・ビラ戦を乗り切れば、6日のFAカップ(マックルズフィールド戦)をはさんで13日までリーグ戦は組まれていない。この期間を利用して、冬の移籍マーケットで、バーミンガムのマシュー・アプソンや、ミドルスブラのジョナサン・ウッドゲイトといったセンターバックの補強も視野に入れているモウリーニョ。リーグ3連覇を狙う闘将には、巻き返しのシナリオが描かれているようだ。