マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督は、26日のウィガン戦を前に「今のメンバーで十分タイトルを獲れる」と選手層の厚さをアピールした。

 すでにFWヘンリク・ラーションをレンタル移籍で招き入れたファーガソンは、1月の移籍マーケットで、再びバイエルン・ミュンヘンのMFオーウェン・ハーグリーブスの獲得に動くと見られている。プレミアの覇権奪回に向け、戦力補強に熱心な老将だが、ウィガン戦のマッチデイプログラム上では、ユナイテッドの選手層の薄さを指摘する声に激しく反発している。

「最近ではこんなことを言う輩がいる。『ユナイテッドはたしかにいいチームだ。でも、スタメン以外の選手はダメだ』と。私は理解に苦しむし、彼らの目を疑うね。さらに言えば、選手だけでなく、私に対する侮辱ですらある。まるで私がチーム作りで手を抜いているかのようにも聞こえるのでね」

 ウェイン・ルーニーやクリスチアーノ・ロナウドに加え、ポール・スコールズやライアン・ギグスなどのベテラン勢の活躍もあり、躍進を続けているユナイテッド。しかし、ダレン・フレッチャーやジョン・オシェイなどの中堅選手がスタメンのポジションを脅かすことができないのも事実。主力の戦線離脱が続くようなことがあれば、チーム力の低下は避けられないというのが一般的な見方だ。

 ファーガソン自身も、現在レンタル先で経験を積む若手選手を、1月の移籍期間中に呼び戻す可能性を示唆している。それでもファーガソンは、「どうして我々の選手層が薄いなどと言えるのだろう。クラブに在籍する選手全員が、プレミアリーグ、チャンピオンズ・リーグ、FAカップといった戦いの場で、それぞれの仕事を全うしている」とし、メンバーに対する自信を声高にアピールする。老将が見せる揺るぎない信頼。それこそが、今シーズンのユナイテッドの躍進を支えているのかもしれない。