2006年も残り1週間を切り、レアル・マドリーが同クラブ所属のMFデイビット・ベッカムとの契約延長の交渉に残された期間もあと1週間といよいよカウントダウンが始まった。しかし、両者の交渉は平行線をたどったままで、合意に至る可能性もわずかだ。

2007年6月30日にレアル・マドリーとの4年契約が満了するベッカムは、1月1日からどのクラブとも大手を振って交渉することができる。そして、それはレアル・マドリーにとって2003年に3000万ユーロ(約46億円)の大金を支払って獲得したベッカムを‘タダ’で他のクラブに移籍させることにもなる。レアル・マドリー側としてはそれだけは回避したいところだろう。

ファビオ・カペッロが監督に就任して以来、スタメン構想から外れ、ベンチを暖める機会が増える一方のベッカム。この状況に納得できるわけがなく、ベッカムが移籍も視野に入れていることは否めない。しかし、ラモン・カルデロン会長が商業的にも価値のあるベッカムを手放したくないと考えていることははっきりしており、年内一杯ベッカム側と交渉を続けていく構えを見せている。

レアル・マドリーは、ベッカムの現年棒610万ユーロ(約9億円)から大幅ダウンの480万ユーロ(約7億円)を提示しているが、このオファーにベッカムが首を縦に振ることはなく、交渉は暗礁に乗り上げたままだ。

レアル・マドリーは、ベッカムの肖像権を50%保有しており、ベッカムの肖像権、スポンサーシップ取引などを管理する彼の会社「フットワークプロダクションズ」を通し、ベッカムの年2800万ユーロ(約43億円)広告収入のうち半額1400万ユーロ(約21億5000万円)を受け取っている。レアル・マドリーがこれを手放したくないと考えるのも無理はない。とはいえ、レアル・マドリーが提示している年棒ダウンをベッカムが受け入れるとは考えにくい。カルデロン会長に残された道はベッカムをダダで移籍させるという事態を回避するべく契約延長の交渉をまとめること。そして、今シーズン終了までベッカムの名を利用することだ。

カルデロン会長のその手腕が試される時とも言える。果たして、ベッカムの去就はいかに?