リーグ・アン前半戦を終了し、16勝1敗2引き分け、勝ち点50と2位に15ポイント差で独走するリヨン。欧州や国内のカップ戦を含めても22勝1敗5引き分け、向かうところ敵なしといっても過言ではない。

 快進撃の立役者をひとり挙げるなら、やはりブラジル人の主将、ジュニーニョだろう。今シーズンも28試合で8得点9アシストと大活躍。とくにフリーキックは世界最高のひとりと絶賛される。

「フランス・フットボール」誌が選ぶ2006年の年間最優秀外国人選手に輝いたジュニーニョ。3年連続の受賞で過去最多となった。

 同誌のインタビューで受賞の感想を求められると、「フランスでプレーしてもうすぐ6年。『外国人』と言われると奇妙な感じがする。自分では、ブラジル人というよりほとんどフランス人という気がしているから。少なくともプレースタイルではね」と語る。

 今年は同じく「フランス・フットボール」誌が選ぶ「バロン・ドール」(欧州年間最優秀選手)の最終候補50人にノミネートされたが、獲得したのはわずか2ポイント。「僕の母親が入れてくれたんだと思うよ」(実際はフィンランド人の記者)と冗談を飛ばしながら、世界のトッププレーヤーのひとりとして認められたことに胸を張る。

 ジュニーニョ自身、自分が受賞するにはエトーやアンリのようなスピードがないと、と謙遜するが、「フリーキックのバロン・ドール」が存在したなら「すでに受賞していたかもね」とも。いつの日かバロン・ドールを手にする夢は捨てきれないと語っている。

 リヨンの歴史に刻まれた数々の名プレーヤーに肩を並べたと自覚しつつ、「さらに大きな足跡を残したい」と語るジュニーニョ。もうひとつの夢は、やはり「チャンピオンズリーグの制覇」。チェルシーやバルセロナら、強豪にまったく引け目を感じさせない強さを身につけたリヨンの勢いを見ると、この夢が現実となる日は遠くないかも知れない。