今季絶不調に陥っているACミランに、ようやく復活の兆しが見えた。セリエA第17節の行われた20日、ACミランは司令塔カカの復活ドッピエッタ(2得点)もあり好調カターニャを相手に3−0と完勝。

スキャンダル判決の影響でリフレッシュ期間は大幅に削減、大黒柱シェフチェンコの不在、DF陣の高齢化、負傷者続出・・・。毎試合フォーメーション変更を余儀なくされる今季ACミランの足取りはまるで“プロビンチャ(地方・弱小)”クラブのそれであった。名将アンチェロッティすら見つけられなかった複雑な迷路の出口を、天才司令塔カカの嗅覚がとらえた。開幕当初から続いたFW陣との連携不足を徐々に解消、若きエース・ジラルディーノとの“波長”も向上。聖地サン・シーロで、41232人の期待に見事に応えたカカが今季初の“3点差勝利”をサポーターにプレゼントした。

名門復活の兆しにアンチェロッティ監督は「カカは如何なる状況下でも結果を残す世界一のプレイヤーだ。この勝利は大きい」と久しぶりの笑顔で振り返った。「−8p」スタートのACミランはこれで6勝4敗7分、勝ち点を「17」に伸ばし13位に浮上。待望のクリスマス休暇、冬季移籍市場まで残り1試合。悪夢のような06年はもうすぐ終わる。