17日に行なわれたエバートン対チェルシーの一戦を巡り、両チームが激しいバトルを繰り広げている。問題となったのは、エバートンのFWアンドリュー・ジョンソンと、チェルシーのGKエンリケ・イラリオが、ペナルティエリア内で交錯したシーン。バランスを崩したジョンソンは、そのままピッチに倒れ込んだが、判定はノーファウル。しかし、チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は、このプレーを「ダイブだ」として激高。一方、エバートンのデイビッド・モイーズ監督も真っ向から反論し、2人の監督がタッチライン際で口論になる事態に発展した。

 そして、3−2の逆転勝利を収めた試合後、モウリーニョは再び不満を露にしている。

「ジョンソンは危険なプレーヤーだ。相手を騙そうとするのだから。私は非常に不愉快だ。しかし、彼自身も反省したのだろう。あのプレーの後は、とても大人しくしていたからね。私の国では、彼のような選手を“インテリジェント”と呼ぶ。ただ、他の国では、もっと違った呼び方になるだろう。もっと批判的にね。私はイングランドに来て3年になる。この国の文化の影響を受けているし、敬意を払ってもいる。この国で監督を務めていることを、誇りに思っているほどだ。だからこそ、私にとって、PKばかり狙う選手は、もはや“インテリジェント”ではない」

 一方、このモウリーニョの発言に対し、エバートン側は正式に反論。「アンドリューに対する発言は受け入れがたく、名誉を傷つけるものだ。モウリーニョ氏に発言の撤回を求める」と、法的処置も辞さない姿勢を見せている。

 さらに、モイーズ監督が「ビデオを見返すと、たしかにPKではなかったが、ダイブでもないのは間違いない」とコメントすると、ジョンソンのチームメイトであるMFフィル・ネビルも「モウリーニョにあんなことを言う権利はない」と激怒。ポルトガル人監督の発言は、少なからず波紋を広げている。イングランド・サッカー協会は「現時点でコメントすべきことは何もない」としているが、今後処罰の対象になる可能性もある。自らの姿勢を固持するか、それとも発言を撤回して謝罪するか。モウリーニョの決断に注目が集まる。