巨人から育成4位で指名を受けた弘前学院聖愛・吹田(カメラ・小島 和之)

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 巨人の育成ドラフト4位で指名された弘前学院聖愛・吹田志道投手(17)が15日、相撲界の“恩師”の金言を胸に成り上がりを誓った。青森・弘前市内で仮契約を結び、支度金290万円、年俸360万円(金額はいずれも推定)、背番号「030」に決定。188センチの長身から最速144キロでカットボール、スプリットなどを操る右腕は「必ず3年以内に支配下登録されて1軍で少しでも早く投げれるように」と意気込んだ。

 昨年1月、「自立するために東京でもまれてこい」と、関係者の紹介で都内の西岩部屋に1週間住み込みでトレーニングに励んだ。四股などの基礎を学び、終盤はぶつかり稽古も経験。下半身を鍛える大切さや、体重を増やす力士の食事法を学んだ。「(力士は)食に貪欲。ゆっくりだけど長い時間をかけてずっと食べていた」。青森に戻ると補食の回数を増やし、冬の間に10キロ増量した。

 西岩親方(元関脇・若の里)とは2時間近く雑談をすることもあった。「力士の中で一番けがをしたけど、とにかくくじけずに、前向きにやってこられたことが長い年月につながった」。23年半もの長い現役生活を送った親方の言葉は、強く印象に残ったという。戸郷を目標に掲げる若武者は「目標は160キロ。200勝できるような投手になりたい」。プロでの飛躍が、何よりの恩返しになる。(小島 和之)