【首都圏連続強盗】「まさか親族が」身近に迫る犯罪…リストが存在か?高齢者宅を次々襲撃 元刑事&犯罪ジャーナリストW解説

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千葉県・船橋市で9日発覚した、高齢者夫婦宅の強盗事件。80代の夫は身体を縛られ、70代の妻は暴行を受けて肋骨を折るなど重傷を負いました。

被害者夫婦の親族は、平和な日常を突如として襲った凶行に恐怖を隠せません。

被害者夫婦の親族:
いやもう、何が何だか。まさか自分の知り合いというか、親族がなるとは思っていなかったので、ちょっとパニック気味ですね。
(被害者夫婦は)2カ月くらい前に野菜を持って行ったら、元気にやっていましたね。すごく質素で、本当にどこにでもいる仲のいい夫婦という感じで、全然ケンカなんかないですね。“早く捕まってほしい”一言につきますね、今は。

関東一帯で、8月以降、相次いでいる強盗事件。
「めざまし8」は、元埼玉県警捜査一課警部補の佐々木成三氏と、犯罪ジャーナリストの石原行雄氏に話を聞き、それぞれの事件から浮かび上がった“謎”と、犯人グループの全体像に迫りました。

被害額の差「スイッチした可能性」

連続して発生している強盗事件ですが、それぞれ、数万円程度の被害から、数百万円の被害まで、被害額に大きな差があります。

――犯行グループに“目的の差”があるのでしょうか?
犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏:
8件起きた事件の中で、今のところ7つの事件が関連があるのではないかと。前半3件が店舗を狙ったもので、後半4件が民家を狙ったもの。ターニングポイントになったのは、9月3日の鎌倉の事件で、押し入ってすぐに実行犯が取り押さえられているわけです。
そこで取り押さえられたので、本当は店舗の方が実入りが硬いわけですが、民家は資産家であってもその日に確実に現金等々があるとは限らないので、店舗を狙いたいわけですが、取り押さえられたので、店舗をやめて民家をとスイッチした可能性はあると思います。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
“闇リスト”に載ってそこが対象になってしまったことは間違いないと思います。ただ指示役も、闇リストに載っているだけで他に情報をあまりリサーチしていないのではないかと。だからこそ数で、多くの強盗をして金銭を奪うということだけを考えた短絡的な犯行だなと感じています。

なぜ“闇バイト”に…巧妙なうたい文句

一連の事件は、“闇バイト”が関係しているとみられていますが、それぞれの事件で逮捕された容疑者は、闇バイトに応じた理由について、当初はそれが強盗につながる案件だと知らされていなかったと話します。

さいたま市西区の強盗事件で逮捕された、飯野夢真容疑者(20)は、「はじめはドライバーの仕事、ホワイト案件として応募したが、気付いたら内容が変わり、強盗致傷の案件に変わった」と供述。

さらに、所沢市の強盗事件に関与したとみられる安田勇介容疑者(23)は、「高額案件 タクシー業務 書類運搬受け取り 日給5万円から」といううたい文句で雇われたといいますが、実際に運んだ物は盗まれたクレジットカードで、詐欺未遂容疑で逮捕されました。

犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏:
私も、闇バイトに応募する人を装ってリクルーター等々に接触をしているのですが、やはり入り口でまずだまして何らかの仕事をさせる。犯罪性のあるものは怖いと言うと、ホワイトなものもあるからやりなよと言うんですけど、そこで「身分証を送ってくれ」、あるいは「家族の情報等々高額な商品を扱うから一応そういう情報を送ってくれ」と。加担した人の取材をすると、それを送った後に急に手のひら返しがあって脅されるというので、もう足抜けできないと。

――どういうルートで闇バイトに行き着くのか?
例えば借金があって利息に困っている、来月の家賃に困っている、あるいは何かタイパ・コスパのいい仕事はないかと検索していると、検索の入り口は最近は普通の言葉ですね。

――実際に“追い込み”などはかけられるもの?
それは基本的にあり得ない話です。例えば手駒というのはSNSで簡単に集められるのに、わざわざ傷害などのより重い事件を起こして、1人をつなぎ止めておくということは反社側からしたら割に合わないわけです。ですから、これはあくまでも脅し文句ですから本当に危ないと思ったら、すぐに警察に行けば一番自分を守ってくれます。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
こういった闇バイトに申し込む人を取り調べると、やはり想像力がかなり欠如しているなと感じています。実際私も強盗の被疑者を捕まえたことはありますが、貯金目的とかそういうことではなくて、得たお金をあぶく銭のように使い、またなくなって闇バイトをしてしまう、こういったメカニズムになってしまいますので、楽して即日即金で働く仕事はないんだと、今一度認識してもらいたいと思います。

一連の事件の黒幕は?

――どのような黒幕がこの事件の裏にいると思いますか?
犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏:
基本的に何らかの闇名簿が使われた可能性、そしてシステムなんかは基本的に今までの闇バイトと同じですから、指示役には半グレのような反社がいて、さらにその上には指定暴力団が黒幕という可能性は極めて高いと思います。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
ここまでメディアが連日報道しているにもかかわらず、まだ、事件が連続で発生しているというのが、首謀者もかなりお金を強取することを焦っているなという感じはするんです。過去、このような闇バイトにかかわる首謀者を捕まえた4割が暴力団関係者だったというデータもありますので、こういったお金が暴力団の資金源になっているということはかなり多くあると思います。そして、資金源になるということはその資金でこうしたグループができてしまう。この仕組みをなんとか止めなくてはいけないということで、警察は首謀者までなんとかして力を入れて逮捕するという強い姿勢を示していると。

MC谷原章介:
SNSを通して実行犯の応募を防ぐためにも、家族の間でSNSの甘い募集みたいなものはいいことはないんだと話をしてもらいたいですし、後は防犯対策ですよね。ガラスに防犯フィルムを貼ったり、音が出たりビデオカメラみたいなものを設置するだけでも抑止効果あると思いますので、まだ首謀者は捕まっていませんから、防犯対策の意識を高めていきましょう。
(「めざまし8」10月11日放送より)