物言う株主スターボード、ファイザーとの対立鮮明化

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Svea Herbst-Bayliss Michael Erman

[10日 ロイター] - アクティビスト(物言う投資家)のヘッジファンド、米スターボード・バリューは10日、米製薬大手ファイザーの元幹部2人がスターボードと連携して同社に働きかけを行う考えを撤回したことに関し、取締役会が「威圧的行為」に出た可能性を調査するよう同社に迫った。

スターボードはこれまでにファイザー株約10億ドル相当を取得し、イアン・リード前最高経営責任者(CEO)とフランク・ダメリオ前最高財務責任者(CFO)が同社の先行きを懸念し、連携して働きかけることを申し出たと明らかにしていた。

スターボードを率いるジェフリー・スミス氏は、ファイザー取締役会に書簡を送り、リード、ダメリオ両氏にはファイザーのアルバート・ブーラCEOを公の場で支持するよう圧力がかかったと聞いたと指摘。支持しなければ、これまで受け取った報酬の返還を求められ、権利をまだ行使していない業績連動型の株式報酬が取り消される恐れがあったとした。

この数時間前にファイザーの長年の取引金融機関であるグッゲンハイム証券は、両氏が「ファイザーを巡るスターボードの働きかけに関与しないことを決定」し、ブーラ氏を全面的に支持していると表明した。

スターボードはファイザー関係者が両氏に訴訟もちらつかせたと主張。ファイザーとは16日に初会合が予定されているが、双方の隔たりが鮮明になった。

スターボードはファイザーへの働きかけの具体的内容を明らかにしておらず、ブーラ氏のCEO就任以降、株価が急落していることだけを指摘している。