12着に敗れたシンエンペラー(左)と11着のアルリファー(撮影・平松さとし)

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 「凱旋門賞・仏G1」(6日、パリロンシャン)

 大きな希望を持って世界最高峰の一戦に臨んだ日本勢だったが、今年も欧州の厚い壁に夢を阻まれ、シンエンペラー(牡3歳、栗東・矢作)は12着、武豊騎手(55)=栗東・フリー=が騎乗した愛国馬アルリファーは11着に終わった。勝ったのは2番人気の英国牝馬ブルーストッキング。2着に7番人気アヴァンチュール、3着には6番人気ロスアンゼルスが続いた。

 武豊の11度目の挑戦も栄冠には届かなかった。初挑戦の94年ホワイトマズル(6着)から30年。今年は7月にドウデュースが出走を見送り、一度は諦めた舞台。それでも、熱く支え続けてくれたキーファーズ・松島正昭オーナーが共同所有する愛国馬アルリファーで特別な一戦に挑んだ。

 相棒は前走のベルリン大賞を5馬身差で圧勝した有力馬の一頭。1週前にはアイルランドへと渡り、追い切りに騎乗して感触をチェック。手応えを持って本番に臨んだ。しかし、「スタートがもう少し良ければ…」と話したように、理想より後方のポジションになると、そのまま最後まで見せ場をつくることができず11着に敗れた。

 「競馬は結果が全てですから」と無念の表情を見せた鞍上。それでも「いい結果は出せませんでしたが、楽しく乗ることができましたし、凱旋門賞に騎乗することができて幸せに感じました。応援してくれた方々のためにも、いつかは喜んでもらえるように結果を出したい。まだまだ頑張ります」と55歳を迎えてもなお、競馬への情熱が冷めることのない日本競馬界のレジェンド。目標を達成するその日まで、歩みを止めることはない。