【現代ビジネス編集部】「独自」広島カープ・田中広輔の「写真流出騒動」がCS前にヤバすぎる…インスタのハッキングで刑事告訴

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「直撃」取材で見せられた写真

「シーズンがまだ終わっていない中で、お騒がせして申し訳ない限りです……」

こう神妙な顔つきで話すのは、広島カープの田中広輔選手(35歳)である。

カープのショートとしてリーグ3連覇にも貢献。2017年にはワールド・ベースボール・クラシックの日本代表となり、盗塁王にも輝いた田中選手が、珍妙な騒動に巻き込まれ、告訴騒ぎにまで至っていることが「現代ビジネス」の取材でわかった。

田中選手は、数か月前に知人から紹介された30歳代の女性・Aさんと、食事などに行く付き合いをしていたという。このAさんとの関係を巡って、最近あるメディアから「直撃」取材を受けたことで、事態が発覚した。

田中選手が言う。

「メディアの記者から、インスタグラムに投稿されたような写真を突然見せられて、『どんな関係ですか?』と聞かれたのです。僕が目にしたこともない写真です。そもそも写真はぶれていて、僕の顔なのかどうかも判然としないものでした。なぜそんな写真が存在するのか、びっくりするばかりでした」

驚いた田中選手は、Aさんに連絡をとった。するとAさんは「インスタグラムのパスワードが何者かにハッキングされ、乗っ取られたのではないか。アプリの調子がおかしかった」と推測したという。

「現代ビジネス」は、件のAさんにも話を聞くことができた。

「今年5月、私のインスタグラムのパスワードか他のセキュリティが、なぜか更新されていたことに気づいたのです。私自身は、設定をいじったことがありませんでしたから、なにか変だと思っていました」

誰も見られないはずなのに

不審に思ったAさんは弁護士に相談し、インスタグラムの設定も確認した。するとやはり、5月中旬から下旬にかけてiPhoneとパソコンから、別人がログインしパスワードが変更されていた履歴が見つかった。Aさんが現代ビジネス記者に示したインスタグラムの設定画面には、

《Mac OS X Hiroshima・約1週間前》

《Apple iPhone・Hiroshima・約1週間前》

とAさんがまったく関知しないスマートフォンやパソコンによるログイン履歴が記されていた。その時は、携帯電話の番号から復旧できる方法を検索して、アカウントを継続し、パスワードを変更したという。

Aさんが言う。

「田中選手の話から推測すれば、問題とされている写真は、私がインスタグラムにあげたものだと思います。しかし、私はこの写真を、インスタで特定の友人しか見られない『緑色の輪っか』のところにアップしていました。しかし、この写真は数か月前から私一人しか見れない状態だったのです」

インスタグラムのストーリーに緑枠がある投稿は「親しい友達」に限って閲覧が可能だ。フォロワーであっても、Aさんの許可がないと見ることができない。だが、友人関係のトラブルでAさんは、自分だけしか見れないように設定を変更し、備忘録替わりにしていたという。

ところが、この部分の投稿を見られる人物がいた。Aさんが続ける。

「インスタグラムの設定を確認したところ、『親しい友達』のところに、まったく知らない人物が3人、追加されていたのです。その3つのアカウントは、いずれも投稿がゼロで、フォローも私1人しかいないものでした」

なぜ田中選手だと特定できたのか

「パスワードはそれなりに複雑なものにしていました。第三者がインスタグラムのIDからパスワードを探り出して侵入し、その写真を勝手にダウンロードしたとしか考えられません。それがメディアにまで流出し、拡散されていると思うと夜も眠れません」(Aさん)

そもそも、この写真にはハッキリと田中選手が写っていたわけではないという。Aさんの代理人弁護士がこう証言する。

「Aさんのアカウントを特定したうえでターゲットにしたのか、それともアプリなどを使って、ランダムにパスワードを盗み出したのか判然としません。ぶれている写真なのに、なぜ田中選手の写真だと特定できたのか、不可解です。

他人のパスワードを使ってインスタグラムにログインをし、情報をとって拡散するのは法に触れるので刑事告訴をしました」

9月30日、Aさんはこの弁護士と協議し、広島県警に不正アクセス禁止法の容疑で「告訴状」を提出した。今後は別の容疑で、追加で告訴することも検討中という。

元検事でヤフーの法務部でも勤務経験があり、ネット事情に詳しい落合洋司弁護士はこう解説する。

「他人のIDのパスワードを盗むのは典型的な不正アクセス禁止法に該当すると思われます。また、そこで得た写真をダウンロードするなどしてさらにネットで配布し、拡散すれば撮影者の著作権を侵害した著作権法違反にも該当します。その写真を外部に売ったりして、利益を得るとさらに別の容疑にも問われかねない」

AKB48でタレントの武藤十夢さんも、9月のイベントで「インスタグラムが乗っ取られた」と報告した。黒木メイサさんや吉岡里帆さんなどの有名人も被害にあったと公表している。また、アメリカのバイデン大統領、オバマ元大統領、もツイッター(現X)のアカウントがハッキングされたと報じられている。

奇妙な写真流出騒動に見舞われた田中選手は、憔悴した様子でこう話す。

「インスタグラムをはじめ、ネットのパスワードや設定の重要さを思い知らされました。家族にも叱られ、Aさんにも、チームにもご迷惑をおかけして、謝るしかありません。今シーズンは残り少ないですが、しっかりグランドでプレーし、挽回するしかありません」

SNSでの写真管理にはくれぐれもご用心を。

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