Epic GamesがGoogleとSamsungを「アプリ配信における競争を阻止するために違法に共謀した」として提訴
ゲーム販売プラットフォーム「Epic Games Store」を運営するEpic GamesがGoogleとSamsungを提訴したと発表しました。Epic Gamesは、2023年10月に導入されたSamsungのAuto Blocker機能によって、Google PlayストアとSamsung Galaxy Store以外からのアプリインストールが無効にされていると主張しています。
Filing Suit Against Google and Samsung for Illegally Colluding to Block Competition in App Distribution and Undermining the Epic v Google Jury Verdict - Epic Games
Epic is suing Google - again - and now Samsung, too - The Verge
https://www.theverge.com/policy/2024/9/30/24256395/epic-sues-google-samsung-antitrust-auto-blocker
Epic GamesはGoogleとSamsungが違法に協力して、アプリ配信市場での競争を阻害していると主張し、特にSamsungのAuto Blocker機能に注目しています。このAuto Blocker機能はGoogleとSamsungが共同開発したもので、Androidのバージョン14をベースとするGalaxyシリーズ向けUIの「One UI 6」に2023年10月からオプトイン機能として導入されました。
Auto Blocker機能がオンになっていると、Google PlayストアやSamsung Galaxy Store以外からアプリをインストールしようとすると「不明なソース」という警告が表示され、かなり複雑な手順が別途必要となります。
Samsungは、2024年7月の更新でAuto Blocker機能をデフォルトでオンに設定しています。Epic Gamesはこのことを問題視し、「Auto Blocker機能により、Google Playストアが実質的にGalaxyシリーズ上で唯一のアプリ入手方法となり、他のストアが公平な競争をすることを妨げている」と主張しています。
さらにEpic Gamesは、Googleが過去にSamsungに数十億ドル(約数千億円)を支払い、Samsung Galaxy StoreがGoogle Playストアと競合しないようにしてきたと述べています。これにはSamsung Galaxy Storeを段階的に廃止する計画や、主要ゲーム開発者とSamsung Galaxy Storeの独占契約の回避などが含まれるとEpic Gamesは主張し、その証拠も提出しています。
Epic Gamesは、GoogleやSamsungによるこれらの行為がアプリ開発者や消費者に害を与え、世界中の規制当局の取り組みを妨げるものだと指摘。裁判所に対して、GoogleとSamsungの反競争的行為を禁止し、SamsungにAuto Blockerのデフォルト設定を解除させ、公正な競争を可能にすることを求めています。
Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは「Epic GamesはGoogle PlayストアやSamsung Galaxy Storeと競合しつつ、開発者の売上の88%を収益として提示しています。しかし、もし50%のユーザーが利用を断念した場合、失ったユーザー数と収益を考慮すると、提示できる収益は88%から44%にまで減少してしまいます。このように不利な条件を課せられた場合、文字通りどのストアも既存のストアと競争することはできません。真の競争を実現するには、すべての評判の良いストアやアプリが公平な競争条件のもとで自由に競争できなければなりません。これが私たちの訴訟の目的です」とコメントしています。
We’ve filed new antitrust and Unfair Competition Law claims against Google and Samsung. A jury found Google’s practices illegal and we’re concerned that Google is encouraging Android hardware makers and carriers to adopt and continue Google’s unlawful practices in advance of the… https://t.co/gBRFYgripd— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) September 30, 2024
Samsungは、IT系ニュースサイトのThe Vergeの取材に対して、Googleとの協定については肯定も否定もしなかったそうですが、Auto Blocker機能については「デフォルトでオンになっていますが、スマートフォンの初期設定ウィザードでオフにすることが可能です」と反論。このことはSamsungの公式サポートページにも記されていました。
また、Samsungは「Epic Gamesの主張とは異なり、Samsungは積極的に市場競争を促進し、消費者の選択肢を広げ、公正なビジネスを行っています。当社のデバイスに統合されているAuto Blocker機能は、Samsungのセキュリティ、プライバシー、ユーザー制御の基本原則に従って設計されており、当社はユーザーの個人データ保護に全力で取り組んでいます。ユーザーはいつでもAuto Blocker機能を無効にできます。当社はEpic Gamesの根拠のない主張に対してしっかりと反論するつもりです」という声明を発表しています。