雪印メグミルク 植物性食市場で成長加速 新たな“おつまみ”提案
雪印メグミルクは、今春から新たに参入したプラントベースフード(以下、PBF)市場で成長を加速させる。秋季新商品説明会で、3月に発売したヨーグルトの課題点や、9月に新発売するえんどう豆由来のチーズの狙いを明らかにした。
稲葉聡取締役常務執行役員はPBF市場参入について「食の持続性の新たな選択肢として注目されている。高い成長性に加え、既存の生産設備を活用できる資産効率にも優れている。乳で培った豊富な技術を持つ当社だからできる商品で、新たな領域に挑戦する」と意欲を示した。
下期は、子会社化したヨシダコーポレーションとのシナジーを発揮したチーズ商品を投入する。9月20日発売の「Plant Label えんどう豆由来のおつまみ しお味」「同スモーク味」は、えんどう豆の風味と食感に加え、たんぱく質が摂れるチーズで、食事のバランスを気遣う人に新たなおつまみの選択肢を提供する。
今年3月に立ち上げた「Plant Label」では、ガセリ菌SP株とビフィズス菌SP株を配合した、えんどう豆由来の「ナチュレ 恵 Megumi 植物生まれ」(関東・中部・関西)、「恵 Megumi ガセリ菌SP株 植物生まれ」(全国)を発売した。
発売後の動きについて福田耕治市乳事業部長は、5〜6月の関東・中部・関西エリアのSRIデータを示し「TVCMやWEB広告、デモ販売など様々な施策を展開し、市場定着に向けて取り組んできた。他社の豆乳製品と比較しても配荷はそれなりに達成できた一方、店当たりの販売規模(個数)が課題となった」と振り返った。
同商品は通常のヨーグルトに寄せず、あえてえんどう豆特有の味わいを生かした点も特長だ。「お客様からは日々、色々なお声をいただくことになった。厳しい声もあるが、『食べているうちに慣れてきた』『売れなくてもやめないで欲しい』『やっと大豆じゃない豆を見つけられた』などの声もある。『ガセリ菌とビフィズス菌が両方入ってとてもいい』という言葉は、まさに差別化でこだわったポイントなのでうれしい」と述べた。
9月24日から「ナチュレ 恵 Megumi 植物生まれ」を北海道・東北・九州エリアでも発売し全国展開する。
加藤光一郎乳食品事業部長は、PBF市場参入の目的について改めて説明。「人口増加による食料需給の課題や、これに伴うたんぱく質クライシスの懸念は、限られた事業領域だけで解決できるものではない。乳製品の加工技術や商品開発のノウハウを生かし、様々な選択肢を提供することで社会課題解決を実現していく」と語った。