日清製粉G グループシナジーで開発力強化 環境対応でも着々と成果

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日清製粉グループは2日、パレスホテル東京で「2024年夏季食糧記者懇談会」を開催した。当日は日清製粉グループ本社の瀧原賢二社長以下、山田貴夫・日清製粉社長、岩橋恭彦・日清製粉ウェルナ社長、池田晋一・日清製粉デリカフロンティア社長、新井秀夫・オリエンタル酵母工業社長が出席。グループ概況とともに各事業の概況について説明した。

瀧原社長は「日銀の金融施策もあり世の中が変化している。世の中の動きは止まるときも動き出すときもリスクが生じる。これに向かい合って、しっかり舵取りをしていきたい」と力強く述べ、第1四半期の概況と今後の取り組みについて詳細に説明した。

今第1四半期は、国内製粉、加工食品が横ばい、健康食品はやや足踏みをしているが、その他事業が前期実績を上回っており、全体的に堅調。国内製粉での収益基盤の確保、海外事業(豪州製粉、インドイースト)の業績改善、米国製粉事業の成長、加工食品、中食・惣菜事業の収益性、メッシュクロス事業の成長――など各事業の進捗状況を上期で検証していく。

また、今年度の“一丁目一番地施策”に掲げる「研究開発戦略における目に見える成果の実現策」では、環境配慮型オフィス「用賀オフィス」を2026年に新設する。グループの新たな開発拠点として日清製粉、日清製粉ウェルナ、日清製粉プレミックスの開発部隊が集結、グループシナジー創出を図る。

日清製粉は、昨年3月に発売した高食物繊維小麦粉「アミュリア」のプロモーションを強化し、30〜40歳代の女性などへ認知拡大を図る。環境の取り組みについては、太陽光発電によるCO2削減を積極的に推進しており、福岡工場(2022年)に続き鶴見工場も太陽光発電を導入。「CO2排出量50%削減の目標を前倒しで実現する」(山田社長)見込み。今後千葉、知多、水島新工場でも導入を進めゼロエミッションの実現を具現化していく。

日清製粉ウェルナは、ASEANで保有する製造拠点を活用し、BtoC事業にも本格参入する。第一弾は人口1億人を超えるベトナムで本格参入し、11品を投入。9月にはホーチミン市でプレス発表会を予定している。

国内市場ではボリュームゾーンの主力品の価格改定を控え、秋冬商戦には新商品70品を投入。主力品のブラッシュアップも実施し、価値と価格の見直しを進める。

生産面での環境対応では「2030年度の目標(自社拠点でのCO2排出量50%削減)を今年度までに前倒し実現する見込み。

日清製粉デリカフロンティアは、「DXを活用させての生産性の向上は急務。自動化省人化についての研究開発を強化し、差別化が可能なものを仕込んでいく」(池田社長)。中食・惣菜業界では初の「DX認定取得業者」の認定も得ており、さらなる生産性向上に取り組む。

オリエンタル酵母工業は、新井社長が「大命題は、OYインドを軌道に乗せ、ベーカリーはもとより、海外を含めベーカリー以外の新規市場への進出を加速化させること」と述べるとともに、バイオ事業においても「診断・製薬支援、基礎医学研究・創薬支援の二本柱をきわめて市場におけるプレゼンスを高めていく」とした。

情報発信も強化しており、業務ルートの顧客向けサービスで新情報サイト「Food For All」を立ち上げ。OYインドについても、現地リテールベーカリー向けに同社の強みや生イーストの特性を訴求する動画を作成、プレゼンなどで活用する。