毎日杯で重賞初勝利を飾った角田大河騎手=23年3月25日、阪神競馬場

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 JRAは10日、デビュー3年目の角田大河騎手=栗東・石橋=が死去したことを発表した。21歳だった。1日夜に角田大河騎手自らが運転する自動車で函館競馬場の馬場内に侵入した事案について、裁定委員会に送付されることが決定。3日からの騎乗停止処分が下されていたが、2日の午後以降は連絡が取れない状態が続いていた。未来ある若手ジョッキーの早過ぎる死−。競馬界は驚きと深い悲しみに包まれた。

 優れた技術と肝の据わった騎乗スタイルで1年目から順調に勝ち星を積み重ね、JRA通算90勝。まだ21歳−将来を嘱望されていた若手騎手との、あまりにも早過ぎる別れとなった。

 9日の夜に家族から連絡を受け、発表する運びとなったが、死因や亡くなった際の状況など詳細について、JRAは「ご遺族の意向により回答は差し控えさせていただきます」と説明した。

 角田大河騎手は1日の午後8時半ごろ、自らが運転する自動車で函館競馬場の馬場内に侵入。そのことに対して、2日の午前10時にJRAから事情聴取を受けた。その際には「反省している様子であり、聴取に素直に応じていた」という。15分程度の聴取は「あくまで事実確認を行ったもの」で、JRA側の聴取が威圧的であったり、厳しい内容だったか、という報道陣の問いはきっぱりと否定している。その後、裁定委員会に送付されることが決定。本人に伝えるべく連絡を試みたが、2日の午後以降はずっと連絡が取れない状態が続いていたという。

 今後の裁定委員会の開催については未定で、葬儀に関してもJRAとしては「承知していない」とした。喪章やけん花、記帳も現時点で予定はしていないという。当初から函館競馬場の馬場内へ侵入した事案については、芝コースにタイヤの跡が残るなどの損傷が目立っており、競馬関係者の中からも厳しい意見が聞かれていた。ただ、日を追うごとにトレセン内では安否を心配する声も上がっていただけに、あってはならない結末を迎えてしまった。