「パリ五輪」の裏で勝手に開催! 「CARオリンピック」を妄想したら団体競技で日本が躍動!!
この記事をまとめると
■クルマでオリンピックを開催したらどんな結果になるかを妄想した
■短距離走では圧倒的に海外ハイパーカーが強い
■団体競技ではドイツと日本のガチンコ勝負になりそうだ
各カテゴリーの世界一を決めるクルマの祭典!?
巷ではパリ2024オリンピック(Paris 2024 Olympic)が盛り上がっている真っ最中だが、「もしもクルマによるオリンピック競技大会が行われたらどんな結果になるのか?」という興味に基づき、「ボルドー2024 CARオリンピック」(主催:WEB CARTOP)が8月某日、フランス南西部の都市ボルドーで架空開催された。
いきなりボルドーで開催されることになった理由について、主催者は「世界初の自動車レースが1895年、パリとボルドーを往復するコースで実際されたことにちなんで」と説明している。
それはさておき、さっそく競技結果を報告しよう。
●陸上男子0-100m/h(EV部門)決勝
まず大会初日に行われた「陸上男子0-100km/h」は、EV部門とエンジン車部門にわかれて予選と決勝を実施。それぞれの最終結果は以下のとおりとなった。
金:リマック・ネヴェーラ(クロアチア)1.81秒
銀:ピニンファリーナ・バッティスタ (イタリア)1.86秒
銅:アスパーク・アウル(日本)1.91秒
見事、銅メダルを獲得した「アスパーク」は日本の人材開発・派遣業者だが、「アウル」はその新規事業の一環として企画されたEVのハイパーカーで、実際の生産はイタリア国内のコーチビルダーによって行われている。日本国籍を持つ大坂なおみ選手が、ロサンゼルスを拠点にしている──みたいな感じだろうか? 少し違うかもしれないが……。
●陸上男子0-100m/h(エンジン車部門)決勝
金:ブガッティ・シロン ピュアスポーツ(フランス)2.3秒
銀:ブガッティ・ディーヴォ (フランス)2.4秒
銅:ブガッティ・ヴェイロン16.4スーパースポーツ(フランス)2.5秒
エンジン車部門では、地元フランスのブガッティが表彰台を独占。そのスピードに対する飽くなき姿勢に、観客は半ばあきれながらも拍手を送った。なお、日本から出場した日産 GT-R NISMO(2.8秒)とホンダ NSX(3.0秒)は健闘したものの、準々決勝で姿を消している。
●男子マラソン(10万km)決勝
大会2日目に行われた目玉種目「男子マラソン(10万km)」は、「出場選手なしのためノーコンテスト(無効試合)」という異例の結果に終わった。
男子マラソン(10万km)は、その名のとおり10万kmもの距離を連続して走行し、その平均速度を競うというもの。1989年に日本の初代スバル・レガシイRSセダンが「223.345km/h」という世界記録を樹立し、2005年にはドイツのW211型メルセデス・ベンツ E320 CDIが、それを上まわる「225.903km」という新記録を達成。
また、10万kmではなく5万km連続走行での記録にはなるが、1983年には同じくメルセデス・ベンツの190E 2.3-16が、南イタリアのナルドサーキットで「247.9km/h」という大記録を打ち立てている。
今回、ボルドー2024 CARオリンピック委員会はこの3選手にマラソン競技への参加を打診したが、初代スバル・レガシイRSセダン(日本)とW211型メルセデス・ベンツ E320 CDI(ドイツ)からは「年齢」を理由に不参加の旨が伝えられ、190E 2.3-16選手(ドイツ)は中古車市場をくまなく探したものの所在が確認できず、連絡が取れなかった。
日本代表がドイツ代表を破って初優勝!?
●近代五種決勝
続く大会3日目のメイン種目は「近代五種」。本家パリ2024オリンピックで行われる近代五種は「水泳(200m自由形)/フェンシング(エペ)/馬術(障害飛越)/レーザーラン(射撃と800mランを交互に4回繰り返す)」というきわめて過酷な内容で、並外れた体力と精神力、そしてスキルが要求される競技だ。
そして、CARオリンピックにおける近代五種も、「0-200km/h 加速/ワインディング走行(ターマック)/ワインディング走行(グラベル)/実用性審査(乗り心地、積載性能など)」を通して乗用車としての総合力が問われる過酷な競技である。
各国から参加した数多くの車両による予選を経て行われた決勝の結果は、以下のとおりだった。
金:ポルシェ 911(ドイツ)
銀:BMWアルピナ D4Sグランクーペ(ドイツ)
銅:ランドローバー・レンジローバー(イギリス)
おおむね順当な結果とはいえるだろう。だが、クルマに求められるすべての要素を金メダルレベルでクリアさせようとすると、どうしても今回入賞したような「浮世離れした車両価格のクルマ」ばかりになってしまい、一般的な価格のクルマは出る幕がなくなってしまう。そのため「CARオリンピックの精神に反するのではないか?」という意見も根強く、次回大会では「近代五種」が廃止され、車両クラスごとまたは種目ごとの競技に再編成される見通しだ。なお、本家オリンピックのほうでも、次回大会から近代五種のなかの「馬術」は「オブスタクル」という障害走に変更されるとのこと。
●男子サッカー決勝
最終日は「サッカー男子・決勝戦」が行われ、大会はフィナーレを迎えた。
予選リーグと決勝トーナメントを最後まで勝ち上がってきたのは、総合力に優れる自動車生産国であるドイツと日本。それぞれのスターティングメンバーは以下のとおりだった。
【ドイツ代表】
FW メルセデスAMG GTクーペ
MF ポルシェ911
MF BMW 3シリーズ
MF ミニ
MF アウディA4アバント
MF BMW M4クーペ
DF メルセデス・ベンツGクラス
DF ポルシェ718ケイマン
DF ポルシェ・マカン
DF フォルクスワーゲン・ゴルフ
GK ポルシェ・カイエン
もはや銀河系軍団とすら呼べそうな顔ぶれであり、大型なれど俊足なFW「メルセデスAMG GT」と万能型司令塔MF「ポルシェ911」を中心とする攻撃力はすさまじく、高さのあるセンターバック「Gクラス」と快速サイドバック「718ケイマン」が鍵となる守備陣も、ほぼ鉄壁といえる。
【日本代表】
FW レクサスRX500h
MF トヨタGR86
MF トヨタ・ヤリスハイブリッド
MF ホンダ・シビックTYPE R
MF ホンダ・シビックe:HEV
MF マツダCX-5
MF スバルWRX S4
DF トヨタ・ランドクルーザー300
DF 日産GT-R
DF トヨタ・ランドクルーザー250
GK トヨタ・クラウンスポーツ
銀河系軍団とまでは呼べないかもしれないが、こちら日本代表のスターティングメンバーもなかなか強力。ワントップには高さと力があるレクサスRX500hを置いて起点をつくり、RXが落としたボールを俊足のGR86やシビックTYPE Rなどが連携してペナルティエリア内へ運ぶ。異色のセンターバック「GT-R」が機能するかどうかも見どころだ。
【試合経過】
前半は地力で勝るドイツ代表がボールを支配し、39分にサイドハーフ「BMW M4クーペ」が入れたクロスをポルシェ911がリヤエンジンで合わせて1点を先取。
しかし後半15分、日本代表の老獪な守備的MF「CX-5」の執拗なチェックに苛立ったAMG GTクーペが、CX-5に思わず肘打ちを食らわせてしまったことで一発退場に。
10人となったドイツ代表を相手に日本代表は息を吹き返し、後半24分にGR86のミドルシュートが決まって1-1の同点に追いついた。
その後は両軍互角の時間帯が続いたが、後半アディショナルタイム、ほぼ全選手の足が止まりかけたなか、無尽蔵のスタミナ(燃費)を誇る小柄なMF「ヤリスハイブリッド」が、ボール奪取から約50m独走してのドリブルシュートを決め、最終的に2-1で日本代表が勝利。見事初優勝に輝いた。
とまぁ、「ボルドー2024 CARオリンピック」は大熱狂のうちに筆者の頭のなかで幕を閉じたのであった。なお、次回開催は2028年ロサンゼルスに対抗してのデトロイト開催だとか、知らんけど。