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Google(グーグル)は、進行中の個人情報保護プロジェクト「サンドボックス(Sandbox)」において、自社ブラウザChromeで予定していたサードパーティのクッキー(Cookie)排除の方針撤回を発表しました。

もっと時間が必要

クッキーとは、ユーザーのネット上での行動をトラッキングするためのもので、ターゲット広告などに活用されます。2023年、GoogleはChromeにてサードパーティのクッキーを削除する方針を発表。代わりにサンドボックスという独自の仕組みを進めています。すべてはユーザーのプライバシーを向上させるため。

しかし、今回の方針転換でクッキーを完全排除しない新たな道を模索すると語りました。

その主な理由は、現時点ではまだ時間が足りないから。サンドボックスAPIが成長する一方で、普及にはもっと時間が必要。広告主含めオンライン広告業界全体に大きな影響が出るため、現時点でのクッキー廃止は時期尚早と判断したようです。

Google公式ブログにて、プライバシー サンドボックス プロジェクトの担当者であるAnthony Chavez氏はこう語っています。

「サードパーティCookieを廃止する代わりに、Chromeに新しい機能を導入し、ユーザーがウェブ閲覧全体に適用される情報に基づいた選択を行ない、いつでもその選択を変更できるようにします」

クッキーの重要度

クッキーは、テレビやラジオという媒体では不可能なレベルでのターゲティングを可能にするウェブならではの重要な存在です。例えばスペイン旅行と検索した人、数日内に釣り道具を買った人など、非常に限られた情報がクッキーによって入手可能。広告を出す企業は、その情報からより製品を買ってくれそうな人にリーチすることができます。

このクッキーを手放し、新たな仕組みを導入するというGoogleのプライバシー サンドボックス プロジェクトは非常に大きなチャレンジでした。今回クッキー完全排除はしないという方針転換はしたものの、サンドボックスプロジェクト自体は継続されます。

現段階では、GoogleのいうChromeの新たな機能が、どのようなものかは明かされておらず。ただ、イギリスの競争・市場庁(CMA)や情報コミッショナーオフィス(ICO)と、今後のあり方についてディスカッションを重ねていると公式ブログでは綴られています。また、世界の法的機関とも継続して話をしていく方針。

莫大な広告収入を支えるクッキーの存在と個人情報保護。サンドボックスプロジェクトは一筋縄ではいきそうにありません。

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Source: Google