2023年はAIの年だった、と言っても過言ではないだろう。この新しいテクノロジーの出現と急速な発展は、拡大と変化と混乱が相まって形作られている、デジタル領域を象徴するような存在にも感じられる。一方で、デジタルの未来は不透明だ。市場におけるすべてのプレイヤーが、先の見えないなかでいかに足場を固め、次のステップへと進めるのか模索を続けている。DIGIDAY[日本版]恒例の年末年始企画「IN/OUT 2024」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブや次世代リーダーに2023年を振り返ってもらい、2024年に向けてどのようなチャレンジを企図し、次なる成長を実現しようとしているのか伺った。株式会社CAMにて、CID事業・新R25広告事業責任者を務める寺本隆彦氏の回答は以下のとおりだ。

――2023年に挙げたもっとも大きな成果はなんですか。

「拡散型動画タイアップ」事業への手応えです。新R25では、コンテンツ、広告プロダクトの両面で動画シフトを推進してきましたが、特に広告プロダクト面において「拡散型動画タイアップ」と位置付けたYouTube広告プロダクトに手応えを得ています。メディアのコンテンツ制作力とブランド力に、積極的に広告配信を掛け合わせて広告効果の最大化を狙うソリューションで、よい効果事例をいくつも出すことができています。いわゆるメディアタイアップは、メディアが囲い込んだユーザーにコンテンツを見せる形が基本です。「拡散型動画タイアップ」では、定常的なメディア閲覧者以外も含め、メディアである新R25自身がコンテンツを広告配信で広範に届けることで、効果を最大化する思想のもとに進めています。コンテンツ面では、「ビジネスバラエティ番組」というコンセプトの元、YouTubeチャンネル上で「思春期ビジパ学園」「ワンマイル未来会議」「アリな価値観」などの人気番組を確立し、こちらも動画シフトを進めることができました。3月には企業コラボによる大型イベントも予定しており、楽しみにしていただければと思います。

――2024年に向け見えてきた課題はなんですか。

広告効果のさらなる追求を課題と捉えています。「拡散型動画タイアップ」事業が、ブランディングやプロモーション手法として選ばれ続けるためには、狙った広告効果を出し続けていく必要があります。ブランド広告からダイレクト広告まで、狙った広告効果を再現性高く出せるように、企業としてコンテンツ面のみならず、広告配信技術も含めた総合的なケイパビリティアップをしていく必要を感じています。

――2024年にチャレンジしたい取り組みを教えてください。

世の中の動画シフトと、動画広告市場の伸長はまたまだ続くとされております。2024年も、引き続き体制を拡充しながら、新R25の「拡散型動画タイアップ」事業を推進し、市場の波を捉えていきたいと思います。併せて、企業トピ新R25という1記事10万円から新R25が記事を制作するプロダクトの立ち上げも進めており、こちらも含めてメディアの新しい形を模索していければと考えております。最後に、市場を席巻している生成AIの事業適用についても取り組むべき重要トピックと認識しており、メディア運営や広告運用への適用を試行していければと思います。

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Edited by DIGIDAY[日本版]編集部