大谷翔平“986億円後払い”の経緯を代理人が米誌に告白【写真:ロイター】

写真拡大

ネズ・バレロ氏が米誌「スポーツ・イラストレイテッド」の独占インタビューに応じる

 米大リーグ・ドジャースが11日(日本時間12日)、エンゼルスからフリーエージェント(FA)となっていた大谷翔平投手を獲得したと正式発表した。契約は10年。複数の米メディアによると本人の希望で総額7億ドル(約1014億円)の97%が後払いになるという。米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」は代理人のネズ・バレロ氏に独占インタビュー。後払い契約に至った経緯を明らかにしている。

 同誌は「いかにしてショウヘイ・オオタニの唯一無二の契約が実現したのか」と題する記事を公開。バレロ氏いわく、大谷はFAになった先月、チームの優勝争いの可能性を高めるために、給料を後払いにしたらどうなるかとバレロ氏に尋ねてきたという。

 同氏は労使協定の項目を綿密に調査し、後払いの金額に制限がないことを確認。7億ドルのうち97%にあたる6億8000万ドルを後払いにすることでドジャースと合意に至ったという。

 バレロ氏は「誰も驚くべきではない。彼がすることは全てがユニークで完璧に考え抜かれている。正気な人でこのレベルまで達し、チームと街の勝利に貢献することを何よりも優先する決断をする人がいるだろうか。誰もそんなことはしない。しかし、彼のような人は1人もいないんだ。これは他人のことを考える典型、純粋な意向の典型だ」と大谷の決断を評した。

「これが彼という人間なんだ。これがいつもの彼なんだ。彼は他の全員よりも上の人として来るのではない。チームの勝利に必要なものを補完する選手として来るのだ」と“大谷らしい”提案だったと説明。「そのスポーツ界のトップにいる人でこんなことをやった人は他にいない」と特異性を強調した。

 同誌によると、これまでのMLBでの後払い契約の最高比率はマックス・シャーザー投手(レンジャーズ)がナショナルズと2015年に2億1000万ドルの契約を結んだときの50%。バレロ氏は「20%や30%はあったかもしれないが、このようなものは今までなかった。私は彼と7年一緒にいる。もう彼がしたことに私は驚かないよ。なぜなら彼はいつも他の誰も取らないような道を進んでいるからね」という。

「彼のような選手はいない」と繰り返したバレロ氏。「だから、このような契約が他にないことは相応しいことだ」と前例のない道を歩んできた大谷だからこその前代未聞の契約だとの見方を示した。

(THE ANSWER編集部)