台風が近づいてきたら、家の外の備えや避難の準備が大切です。事前に準備しておけば、家の被害を最小限に抑えることができ、自分の身も守れます。今回は、台風への備えについて解説します。

台風から守るためにやっておきたい家の外の備え

家の外の備えは、雨や風が強くなる前に行うことが大切です。ここでは、備えをする際のポイントを紹介します。

窓・雨戸
強風で窓が割れると、ガラスが室内に飛散して雨風が吹き込み、家具が倒れたりするなど甚大な被害をもたらすおそれがあります。雨風が侵入しないよう、窓はしっかりと施錠しておきましょう。

また、飛来物でガラスが割れないよう、雨戸やシャッターを閉めて保護してください。雨戸などがない場合は、外側からダンボールを貼り付けると、飛来物によるガラスの破損を防止できます。ただし、養生テープなどでしっかり貼り付けないと、剥がれてしまう可能性があります。

すべての窓に外側からダンボールを貼るのは難しいという家もあるでしょう。その際は、内側から対策して被害を抑えましょう。雨戸などがない場合、網戸は強風で外れて飛ばされてしまうおそれがあるため、取り外して屋内にしまっておくと安心です。室内側の窓の安全対策については後述します。

側溝・排水口
側溝や排水口、雨どいにゴミや落ち葉などが詰まっていると水はけが悪くなり、詰まったところから水が噴き出すことがあります。そのままでは周辺が水没し、床下や室内へ浸水したり、建物の腐食を引き起こしたりする可能性があります。

排水溝の入り口付近が汚泥やゴミ、落ち葉などの障害物で塞がれていると、道路冠水の原因になってしまうかもしれません。そのため、家屋外側の雨どいや側溝をチェックし、ゴミなどが溜まっている場合は掃除をしておきましょう。

屋外のもの
植木鉢や自転車、物干し竿、レジャー用品など、風で飛ばされたり倒れて壊れたりする可能性があるものは、屋内に移動させるか、安全な場所に固定しておくなど対策しておきましょう。

過去には、物干し竿が飛ばされて車のフロントガラスや近所の窓ガラスを突き破ったケースもあります。物干し竿は外して、ひもやガムテープで束ねて風の影響のない場所に横置きしておくことをおすすめします。また、玄関周りに置きがちな傘立てやバケツ、ゴミ箱やほうきなどの小物も、すべてしまっておきましょう。

出典:自分で行う災害への備え | 気象庁

台風接近前に家の中で備えておくこと

台風接近中は、屋内にいてもいろいろと不便を強いられることがあります。そうなっても慌てずに済むよう、計画的に準備しておきましょう。

非常用品の準備
台風の規模や警戒レベルに応じて、市町村が避難指示を発令する可能性もあります。自宅に留まる場合も、停電や断水などに備えておかなければなりません。準備しておきたいものは、飲料水、食品、衣類、レインウェア、懐中電灯、携帯ラジオ、救急用品などです。

飲料水は、防災用ウォータータンクやペットボトルなどで用意しておくとよいでしょう。1日1人あたり3リットルが目安とされています。ほかにも家族構成などにより、必要なものは異なるでしょう。詳しくは、以下の首相官邸ホームページで公開されている災害の「備え」チェックリストを参考にしてください。

出典:災害が起きる前にできること | 首相官邸ホームページ

非常用の水
先述した1日1人あたり3リットルは、あくまでも飲用や食事に必要な目安量なので、生活用水を加えるとさらに多くの水が必要になります。万一の断水に備えて、生活用水も用意しておくと安心です。

飲用以外に手洗いやトイレ、食器洗いなどに使用する生活用水は、1日1人あたり最低10~20リットルが目安です。浴槽やポリタンクなどに水を貯めておくとよいでしょう。

窓の安全対策
雨戸やシャッターがない窓は、内側から安全対策をしておきましょう。窓ガラスは風圧だけではなく、屋根の瓦や店の看板などが飛んできて当たって割れてしまうことがあります。

万一割れてしまっても、室内への飛散を防げれば、ケガや家具の損壊から守れます。そのためには、ガラス飛散防止フィルムを貼るか、養生テープを米の字になるように縦横斜めにガラスに貼り付けると、ガラスがこなごなに砕け散って飛散するのを防止できます。

カーテンやブラインドなども使って、飛来物の飛び込みも防ぎましょう。

出典:自分で行う災害への備え | 気象庁

台風による災害から身を守るためには?

地震など予測が困難な自然災害と違って、台風は比較的余裕をもって備えられることがほとんどです。ここでは、台風から身を守るためのポイントを紹介します。

避難場所や避難経路を確認しておく
住んでいる場所や今いる場所の避難場所と避難経路を把握しておくことが重要です。その土地に住んでまだ長くないなど、どこに避難してよいかわからないケースもあるでしょう。台風が接近する前に、避難場所と避難経路を確認しておくことをおすすめします。

ハザードマップでは、大雨で冠水や浸水、洪水や土砂災害などの危険性のある場所が確認できます。危険な場所を避けて、どこを通れば安全に避難所まで行けるのかを家族で確かめておいてください。

出典:避難時に注意すること | 国土交通省河川局

防災情報を確認する
台風が接近してきたときは、避難するタイミングが遅れないように、防災情報をこまめに確認することが大切です。昨今はスマートフォンでも、国や地方公共団体からの緊急速報エリアメールが受信できます。緊急速報のアラートがオンになっているか、設定を見直しておきましょう。

また、市町村の防災無線や自治体のホームページやSNSを通じて、危険情報を発信しているところも増えてきました。その際には、警戒レベルを5段階に分けて、危険度や住民がとるべき行動を周知しています。警戒レベルは数字が大きくなるほど危険度が高いことを表し、警戒レベル4までに、安全な場所へ全員避難するよう呼びかけられています。

出典:「警戒レベル4」で危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

早めに避難する
警戒レベル3が発令されたら、避難に時間のかかる高齢者や障がい者、乳幼児、避難を支援する人などは、速やかに安全な場所へ避難しましょう。土砂災害の危険がある地域や河川の近くに住んでいる人なども、安全なルートを使って自主的に早めに避難してください。

ただし、警戒レベル5に達すると「緊急安全確保」の段階であり、命の危険が身近に迫っている緊急状態です。避難場所への移動がかえって危険を伴うことがあるため、上の階や崖から離れた部屋など、少しでも安全が確保できる場所で身を守ってください。通常であれば、いきなり警戒レベル5には達しないので、それまでに余裕をもって落ち着いた避難を心がけましょう。

出典:「警戒レベル4」で危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

出典:避難時に注意すること | 国土交通省河川局

まとめ

台風の接近に伴い、家の外の備えをしておくことで被害を最小限に抑えることが重要です。風雨が強まる前に、窓や雨戸を閉め施錠し、側溝や雨どいなどをチェックし、屋外に置いてあるものは屋内にしまうかしっかりと固定しておくなどの対策をしましょう。

家の中でも非常用品や飲料水、生活用水などの準備をしておけば安心です。ハザードマップで、自宅がどのような災害リスクのある場所なのかを把握することも重要です。