大人のオアシス誕生!新宿・歌舞伎町タワーに長谷川稔グループの味が集結

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グループ全店が“予約の取れない店”とも言われる長谷川稔グループが新たな業態に挑戦。場所は4月新宿にオープンした東急歌舞伎町タワーとあって、期待も高まるというものだ。それは、1つのフロアで4つのレストランが楽しめる、お得とも言える店だった。

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長谷川シェフが監修するレストランが歌舞伎町タワーにオープン

5階フロアの全レストランの監修を行う長谷川稔シェフ。

2023年4月オープンした新宿の東急歌舞伎町タワー5階にある「EXSTION(エクジション)」は、スポーツクラブとレストランを併用した、新たな試みを展開する会員制ウェルネスクラブだ。プールや個室サウナなどラグジュアリーな空間が特徴のひとつだが、フーディーたちの話題となっているのが、クラブに併設していながら会員以外も利用できるレストランである。

このレストラン、“予約の取れない店”のシェフとして名高い長谷川稔氏がオール監修を務めているほか、長谷川稔グループが展開する長谷川稔Labの「朗」と「amphis」が移転し、装い新たな長谷川稔Labとして新規オープンするのだ。

時間帯によって業態が変わるレストランでイタリアンや中華を味わう

テーブル同士の距離も確保され、ゆっくりできる空間となっている。

店内のレストランエリアには、カウンター席、テーブル席、ソファ席、プールのあるテラス席があり、時間帯や席によって業態が変わる。
11時半〜14時半のランチの時間帯のテーブル席とソファ席は「点心HOLiC」として中華のランチが味わえ、11時半〜15時半のテラス席は軽食やデザートが楽しめる「PutON Café」となる。この2つは同じ時間帯で展開しているため、テーブル席やソファ席、カウンター席でのカフェ利用も可能だ。

プールのあるテラス席でお茶を飲みながらひと休みできる。 ほどよいビル風があり、快適。

そして夜は、カウンター席が「長谷川稔Lab」、それ以外の席はカジュアルなイタリアンが楽しめる「Italian dining 薫 KABUKI」となる。
「長谷川稔Lab」はもちろんのこと、各レストランでは長谷川稔グループの人気シェフやパティシエがメニューを考案し、長谷川シェフが監修を務めているため、今までにない気軽さで長谷川稔グループの料理が味わえる仕組みだ。

カウンター席は2つの「長谷川稔Lab」

「朗」の一皿。金目鯛は皮目がパリッと、身はしっとりとした仕上がり。

最初はやはり「長谷川稔Lab」の紹介だろう。
カウンター席のみで展開する「長谷川稔Lab」は、白金台の「朗」と「amphis」が6席ずつを担当。それぞれの店のコースが提供される。
移転にあたりメニューも刷新し、一から開発しているという。そのため、一足先に「朗」が6月にオープンとなり、「amphis」はその後のオープンとなるそうだ。

カウンター席は「長谷川稔Lab」として「朗」と「amphis」が6席ずつ展開する。

コースはそれぞれ1種類。8〜10品で2万円台を予定している。これまで同様に旬の食材に合わせて随時メニューは変わっていくが、試食した金目鯛の一皿は、やはり「朗」の森シェフらしい丁寧な仕上がりとなっている。

型にはまらないジャンルレスな森シェフらしく、金目鯛のポアレに葛粉でとろみをつけた鰹だしのソースを合わせ、そこにさらに酢味噌を添える。鰹だしのやさしい甘みと、酢味噌の辛味と酸味、上に添えたハーブの苦みに絶妙な塩味が加わり五味を堪能できる一皿だ。

「amphis」からは、より実験的で面白味あるメニューが提供された。
当店の高橋シェフ曰く「ロールレタスなのに焼肉のような意外性」が味わえる一皿だ。レタスの中は、牛タンのコンフィでライスを包んだもの。

レタスの食感と牛タンの甘み、そしてなぜか焼肉の風味が斬新な「amphis」の一皿。

赤ワインのソースをベースに、焼きナスと黒ニンニクを加えることで、確かに焼き肉のタレのような風味が演出された、遊び心ある料理となっている。
今後、さらにコース料理を仕上げていくにあたり、高橋シェフと中島シェフの下地となるフレンチにイタリアンや和の要素を融合させた彼ららしい味わいが追求されていくだろう。


<店舗情報>
◆朗 長谷川稔Lab
住所 : 東京都新宿区歌舞伎町1-29-1 東急歌舞伎町タワー 5F
TEL : 050-5600-4646
定休日 : 日曜・月曜 ※施設の営業によっても異なる場合がございます。

変わり種のオリジナル点心も魅力の「点心HOLiC」

ランチタイムは「点心HOLiC」として、点心ランチを提供。

「点心HOLiC」はランチの時間帯で展開するレストラン。3,850円の点心のランチコース1種類で、餃子や焼売など7種の点心から4種、ミートソース焼き餃子やボンゴレ小籠包といったイタリアンの要素を加えた革新的なオリジナル点心を4種選べるコースになっている。

小籠包や焼き餃子、海老餃子、肉まんなど基本の7種の点心は、本場中国のレシピをもとに長谷川シェフがアレンジ。化学調味料などを使用せず、健康的かつ旨みがぎっしりと詰まった点心に仕上がっている。

写真はオリジナル点心4種を含む全11種。

中でも楽しみなのが、長谷川シェフオリジナルの点心だろう。ミートソース焼き餃子や、ジェノベーゼ小籠包、ボンゴレ小籠包と変わり種の点心がラインアップされていて、どれにしようか迷ってしまう。

特に小籠包は「イタリアンなのに中華」という楽しげ、かつ本格的な味わい。旨みの詰まったアサリの汁がたっぷり入っているボンゴレ小籠包は、スープを楽しむ小籠包との相性が抜群だった。

ポットサービスの中国茶も豊富に揃っているので、友人と違う種類を試してみるのも良さそうだ。


<店舗情報>
◆点心HOLiC
住所 : 東京都新宿区歌舞伎町1-29-1 東急歌舞伎町タワー 5F
TEL : 不明の為情報お待ちしております
定休日 : 日曜日、月曜日

3つの系列店のパティシエたちによるデザートの競演

「Amandier」のパティシエ横石さんが考案した和風のパフェ「パルフェ ノワール」(1,650円)。

「PutON Café」は「点心HOLiC」よりも1時間長く15時半まで営業するカフェ。テーブル席やソファ席の利用も可能だが、おすすめはプールのあるテラス席だろう。
「EXSTION」の会員が利用できるプールだが、カフェおよびディナー中は遊泳タイムではないので、外の空気を感じられる開放的な空間でお茶ができる。

人気は3種のパフェ。グループの「Amandier」「WAJO」「薫 HIROO」の各パティシエがそれぞれ考案したもので、本来ならそれぞれの店に足を運ばなければ食せないパティシエのデザートが一堂に揃う贅沢ぶりだ。

黒が印象的な「パルフェ ノワール」は、甘みを控えた竹炭マカロンと胡麻アイス、コーヒーゼリーの組み合わせが秀逸な和のパフェ。黒豆や竹炭で黒く色付けしたパンナコッタなどとことん黒にこだわっている。

柑橘の香りいっぱいの「季節の柑橘パフェ」(1,650円)。「WAJO」のパティシエ勝俣さんが考案。

こちらは「WAJO」のパティシエ勝俣さんによる「季節の柑橘パフェ」。取材のあった5月中旬は、フレッシュな文旦とブラッドオレンジを使用していた。パフェ上部は柑橘果汁のエプスーマ。爽やかな香りと、軽やかな泡が、中に隠されたココナツのソルベとバニラのアイスを引き立ててくれる。一番下のライムの香り高いジュレも絶品だ。

「国産いちごとピスタチオのパフェ」(2,420円)は「薫 HIROO」のパティシエ室岡さんによるもの。

先に紹介した2つのパフェは通年提供のパフェだが、「薫 HIROO」のパティシエ室岡さんによる「国産いちごとピスタチオのパフェ」は季節限定となっている。

使用するいちごは、埼玉県オリジナル品種「あまりん」。酸味が少なめで甘みがあり、実がしっかりしていて食べ応えがある。
フレッシュないちごから作ったいちごソースの上に、ピスタチオのセミフレッドとメレンゲで作ったカップを置き、カップの中にはフロマージュブラン。周囲はたっぷりのいちごで囲み、こちらもフレッシュないちごで作ったソルベを飾る。
パフェ全体のバランスが良く、いちごのおいしさを存分に味わえるようになっている。

6月以降に「あまりん」の旬が終了していちごの種類が変われば、パフェにもちょっとした変更がされるだろう。その時々のいちごとスイーツの共演が楽しめそうだ 。


<店舗情報>
◆PUT ON CAFE
住所 : 東京都新宿区歌舞伎町1-29-1 東急歌舞伎町タワー 5F
TEL : 03-6273-8118
定休日 :

カジュアルにグループのイタリアンを楽しむ「Italian dining 薫 KABUKI」

「大山どりのロースト」は「本日のお肉料理」(3,410円)として提供される。

17時からのディナータイムはカウンターを除く全席が、カジュアルイタリアンの「Italian dining 薫 KABUKI」となる。
5月現在はすべてアラカルトメニューとなっているが、ゆくゆくはコースも登場する予定だという。

料理は、前菜が冷菜7種、温菜3種、サラダが1種。リゾットやパスタは5〜7種あり、どれも食べ応えがあるボリュームだ。

メインは食材に合わせて「本日のお魚料理」「本日のお肉料理」の形で提供されるため、スタッフに聞いてみると良いだろう。

「大山どりのむね肉 ともも肉のロースト マルサラソース」。ももと胸肉、2つの食感が楽しめる。


この日は「大山どりのむね肉 ともも肉のロースト マルサラソース」。胸肉は鶏の出汁に付け込み、50分かけて低温調理しているため、胸肉とは思えないしっとりとしたやわらかさだ。一方、もも肉はカリッとローストしているので、皮目がしっかり焼けて弾力ある仕上がりになっている。
ボリュームたっぷりなので3〜4人でシェアしても十分、満足できる。

「国産和牛のボロネーゼ」(2,000円)。牛肉がたっぷり味わえる。

パスタは「スパゲッティ ボンゴレビアンコ」や「ブカティーニ アマトリチャーナ」など7種。こちらも比較的ボリュームがあるので全体のバランスを見て頼んでいくのがいいだろう。

「国産和牛のボロネーゼ」は、平麺のタリアテッレを使った本格的な味わい 。凝縮された牛肉の旨みがパスタに絡みつき、満足度が高い一皿だ。


<店舗情報>
◆Dining 薫 KABUKI
住所 : 東京都新宿区歌舞伎町1-29-1 東急歌舞伎町タワー 5F
TEL : 不明の為情報お待ちしております
定休日 : 日曜日、月曜日

賑やかな歌舞伎町とは対照的な、落ち着きある大人の店

ウェルネスクラブ「EXSTION」のフロント。レストラン利用者はそのまま入っていくことができる。

レストランが入っているウェルネスクラブ「EXSTION」は会員制のため、5階フロアに上ると受付があるが、レストラン利用者はそのまま入店できる。受付のスタッフに声をかけられたらレストランを利用したいと伝えればOKだ。

歌舞伎町タワーは、1〜3階はとても賑やかな一方、4階以上は静かで落ち着いた雰囲気だ。特に5階は高級感があり、広々としたレストランエリアでゆっくり食事ができる。

また、新宿のカフェタイムと言えば店選びに迷うことも多い。歌舞伎町エリアでゆっくりできるおすすめスポットと言える。

クラブの会員が利用する待合室は、レストラン利用者のウェイティングルームにもなっている。

しかし特筆すべきは、長谷川稔グループが全面的に提供するレストランである点だろう。グループにとってもメインテーブル席52席、テラス42席という広さは初めての規模。

オープンに踏み切ったきっかけを長谷川シェフに伺うと「ご縁があってタイミングよくお声がけしてもらえた。やはりこれだけの規模の店を手掛けてみたかったのもあるが、一番はもっと皆さんに身近に私たちの料理を食べていただきたかった」と言う。
人気店となり予約が取れない店になったことへのうれしさはあるものの、同時に“気軽さ”と離れてしまったことに対する思いがあったのだろう。


「料理って本来はもっと気軽に、食べたい時に食べられるものだから、そういうお店にしたい」と語る長谷川シェフは、これからも色々なことに挑戦して私たちを楽しませてくれるに違いない。

※価格はすべて税込。サービス料別。
※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

取材・文:岡崎たかこ(UP SPICE)
撮影:松村宇洋(UP SPICE)

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