eBayに掲載されている、SVBのロゴが入った紺色のレインズのバックパックは、ベッキー・ジェイコブ氏が出品したものだ。ジェイコブ氏は半年ほど前に友人からこのバックパックをプレゼントされたと米モダンリテールに語っている。2人は、SVBブランドのアイテムについて、需要や関心があることを知り、このアイテムをeBayに出品することで、「何が起こるか見てみよう」と思ったという。同じ商品が通常110ドル(約1万4600円)前後で販売されているため、ジェイコブ氏はバックパックを150ドル(約1万9900円)で出品した。同氏は、「バックパックは新品なので、そのくらいの値段で売れるだろうと思っていた。そして、少しクッションを加えてみた」。ウォールストリートジャーナル(WSJ)や、ビジネスインサイダー、アントレプレナーなどの出版物は、シリコンバレー銀行破綻後のSVBグッズの驚異的な売れ行きを報じている。また、多くの起業家たちは、自分たちのパロディグッズを作ろうと立ち上がっている。ノースカロライナ州のオプショントレーダーであるデビッド・コーリー氏は、 「Silicon Valley Bank Risk Management Department(シリコンバレー銀行 リスクマネジメント部)」と書かれたTシャツをEtsyで購入したとWSJに語っている。2021年、ガーディアン紙は、バイオベンチャーのセラノスの創業者エリザベス・ホームズ氏にちなんだグッズの人気について報じた。たとえば、ホームズ氏の顔が描かれたスマートフォンケースや、「First they think you're crazy, then they fight you, then you change the world(最初に彼らはあなたが狂っていると思い、次に彼らはあなたと戦い、そしてあなたは世界を変える)」という同氏の言葉が書かれたスエットシャツなどだ。このようなパロディ商品は、制作者に数千ドルの利益をもたらすことがあり、彼らはその多くをeBayやEtsyに出品している。また、パロディ以外の商品も、実際の企業ブランドの商品を装って登場することがある。ソフトウェア開発者で元ジャーナリストのクリスティーナ・ウォーレン氏は、米モダンリテールの取材に対し、「コピー商品の増加、そしてSVBやFTXのような本物の商品への関心の高まりは、公式商品の入手を困難にしている」と述べる。
企業が倒産してから数カ月経っても、待ちの姿勢でいることは可能だ。消滅した企業の遺物は、通常、サイト上に出現し続ける。たとえば、現在、eBayには140ドル(約1万8500円)のファイア・ケイ(Fyre Cay)の男性用ジョガーと、35ドル(約4600円)の大手書店ボーダーズ(Borders)のしおりが出品されている。ジェイコブ氏のアイテムの入札は3月20日月曜日の夜に終了した。ジェイコブ氏は期限直前に売り手を確保することができた。ウォーレン氏だ。ウォーレン氏は、米モダンリテールとの最初のインタビュー以降、SVBのロゴが入ったバイクジャージを送料抜き65ドル(約8600円)で購入することもできた。ジェイコブ氏は当初、バックパックが売れなければ再び出品することはないだろうと話していた。失敗した会社の商品に対する需要について、同氏は、「まったく理解できない」のだという。同時に、「しかし、インターネットは奇妙な場所だから」とも付け加えた。[原文: The collapse of companies like SVB is triggering demand for limited-edition corporate merch] Julia Waldow(翻訳・編集:戸田美子)Image via eBay