福永祐一騎手、JRA最終騎乗後のインタビューで

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 19日、東京競馬場で今月で現役を引退し、3月から調教師に転身する福永祐一騎手がJRAでの最終騎乗を終えた。最終レース終了後に芝コースで、同騎手へのインタビューが行われ、多くのファンが競馬場に残り、福永騎手の言葉に耳を傾けた。

福永祐一騎手一問一答

●国内最終騎乗を終えて率直な気持ちは
最終レース(ゲンパチプライド)で、たくさんの方に単勝を購入していただいて1番人気に支持していただいたんですけども、そこでいい結果を残すことができなかったので、それは大変申し訳ないなという気持ちでいます。

●普段のG1デーとは違った独特な雰囲気でしたが特別な意識は
1レースから多くのお客さんにきていただいて、G1レースということもありましたし、自分の日本での最終騎乗で、たくさんのお客さんの前で終えることができて、非常に幸せな気持ちになりました。

●最終騎乗でも1勝を上積みできましたね(東京9・ペリエール)
1番人気に支持された馬で、3歳馬で未来のある馬なのですが、次は自分が乗ることができないという状況にも関わらず、依頼をくださったオーナーをはじめとする関係者の方々の思いはうれしく思いましたし、だからこそ一番いい結果で応えなきゃいけないという思いの中で、近年の中では一番プレッシャーがかかる一戦でした。

●花束贈呈のシーンがありましたが、武豊騎手と柴田善臣騎手からはどんな言葉をかけられたか
順番が違うだろと言われました(笑)。自分も結構いいおじさんなんですけど、僕よりもおじさんの二人に花束もらったっていうのが、複雑な気持ちでしたけど、まだまだお二方は若いですし、バリバリ騎乗されてますし、善臣さんとはサウジアラビアで最終騎乗できるということで、先にこういう形になってしまったので、なんか複雑な気持ちですけども(笑)。お二方に依頼できるような馬を作りたいなと思いました。

●東京競馬場は思い出があると思うのですが一番はダービーでしょうか
本当にたくさんの経験をダービーでさせていただきましたし、悔しい気持ちもうれしい気持ちも感動も、ダービーの舞台が大きな経験を与えてくれて、この競馬場でG1を勝つというのは、最後帰ってくるときにお客さんに迎えられる形になるので、最高なんですよね。ジョッキーとして醍醐味の一つというか、大きなやりがいを東京競馬場と皆さんに、与えていただきました。本当にありがとうございました。

【写真】福永祐一騎手、JRA最終騎乗後のインタビューで初重賞勝ちは東京コース
福永祐一騎手、JRA最終騎乗後のインタビューで

●初めての重賞勝ちがデビュー2年目で東京コースでしたよね
キングヘイローで、当時は東京スポーツ杯3歳Sで鮮明に覚えています

●そのころの競馬場で馬上から見る景色と、ダービーを一つ二つ三つ積み重ねて見る東京の景色は変わってきたのでしょうか
変わらず最高でした。お客さんがいないときもありましたし、無観客のダービーもありましたけど。最高でした。最高のジョッキー人生でした。

●東京競馬場では通算230勝、G1・13勝を挙げた
本当に多くの勝利を与えていただきましたし、どの競馬場でもたくさんのお客さんがいて、改めて日本の競馬は最高だなと、今日G1のファンファーレのときのお客さんの拍手を聞いて思いました。

●正式な引退は来月ということで
最終騎乗もサウジアラビアで控えていますので、ちょっとあまり感傷にひたるのもできれば避けたいなと思っていたんですけども、こうやってたくさんの方に迎えられると、込み上げてくる気持ちがあります。

●サウジアラビアではリメイク、エコロアレスに騎乗する予定ということで、日本の競馬ファンの熱い視線が注がれる騎乗になりますね
最終騎乗は日本のファンの皆さんの前ですることができないというのは、自分のなかでもひとつ心残りではありますが、騎手免許を持っている最終週に、騎乗依頼をいただいたのが、たまたまサウジアラビアだったということで、最後まで大きいレースの騎乗依頼をいただけるのは非常に感謝しています。画面越しではありますけども、いい結果、いい騎乗を見せられるように頑張っていきたいと思います。

●ファンの皆さんにラストメッセージを
今日は最終レース終了後もたくさんの方に残っていただいて、ありがとうございます。また、こういった機会を与えてくださったJRAの方々に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。日本での騎乗はきょうで最後となりました。来週はサウジアラビアで2レース乗る予定にしています。今日もたくさんの騎乗依頼をいただきまして、最後の最後まで変わらぬ騎乗依頼をいただけていること、変わらぬ声援をいただけていること、本当に幸せに思っています。自分が今日の日を迎えて、どういう気持ちでいるのかというのは自分自身も非常に興味深く、心の中から湧き上がってくる気持ちを見てたんですけども、後悔というのは先ほどのレースでもありますし、後悔は尽きなかったですが、未練はひとつもありませんでした。満足する結果というのはどこまでいっても残すことはできないのかなと思うのですが、自分が未練なく騎手という仕事を終えられることに、非常に自分はやり切ったのかなと、騎手という仕事を味わい尽くせたのかなというのは感じています。父が騎手ということもありまして、この世界に足を踏み入れましたけども、北橋先生をはじめとする方々にここまで育てていただきました。そして自分には過ぎた勝ち鞍、勝ち数を挙げることができました。何より27年間、一度もこの騎手という仕事が嫌だなと思わずにここまで来られたのは、日本の競馬を支えてくださっているたくさんのファンの方々のおかげだと心から思います。日本の競馬をいつも盛り上げていただいて本当にありがとうございます。自分は次のステージ、調教師という仕事に進みますが、多くの方々に応援してもらえるような馬をつくっていって、後ろに並んでくれているジョッキーとともに、また競馬を盛り上げていけたらと思っています。今日は本当にたくさんの方に残っていただきまして、ありがとうございました

現役最後はサウジアラビアでの騎乗
福永祐一騎手、JRA最終騎乗後のインタビューで

 現役最後の騎乗は来週25日(土)にサウジアラビアで行われるサウジカップデーでの2鞍を予定。リヤドダートスプリント(G3・ダ1200m)でリメイク(牡4・栗東・新谷功一)へ、サウジダービー(G3・ダ1600m)でエコロアレス(牡3・栗東・森秀行)への騎乗を予定している。

●福永祐一騎手18日・19日騎乗結果
・2月18日(土)
阪神
2R ボナンザ(2着/1番人気)
3R アンクルブラック(2着/6番人気)
4R ショウナンアキドン(9着/1番人気)
6R リコッチ(4着/2番人気)
7R エアアネモイ(8着/2番人気)
8R スズノハマヤ(6着/13番人気)
9R タイセイクラージュ(11着/6番人気)
11R テンハッピーローズ(6着/9番人気)

・2月19日(日)
東京
3R ミラクルティアラ(2着/2番人気)
4R アドマイヤサジー(9着/8番人気)
7R ルージュカルミア(4着/3番人気)
8R カフェサンドリヨン(出走取消)
9R ペリエール(1着/1番人気)
10R カランドゥーラ(9着/5番人気)
11R オーヴェルニュ(12着/10番人気)
12R ゲンパチプライド(5着/3番人気)