リモートワークや遊びが捗る進化系ノートPC 5選【GoodsPress AWARD 2022】
【GoodsPress AWARD 2022】
機能、デザインはもちろん、革新性、コストパフォーマンスなど、さまざまなアプローチで我々を刺激したアイテムを表彰する年末恒例「GoodsPress AWARD」。各ジャンルの識者が厳選した“2022年の顔”をぜひチェック。
2022年も多くのノートPCが発売された。既存モデルの性能を向上させた堅実なマイナーチェンジ機もあれば、意欲的にチャレンジした製品もある。ここでは注目の5モデルを選定した。
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時流の乗るのは難しいーー。2019年末から'20年末にかけてリモートワークやオンライン授業が普及し、'21年には在宅からハイブリッドワークへの切り替えが起こった。2022年には対ドルの円安が急激に進み、PCは“高嶺の花”になりつつある。もちろん最新技術を導入したフラグシップモデルも続々と登場しているが、こうした時代の変化を踏まえ、やはり大多数のユーザーにとっての体験を変え得るノートPCを評価したい。
大賞とした「VAIO SX12(VJS125)」は、昨年のマイナーチェンジモデルともいえるが、長時間駆動のバッテリーや上位エディションの5G対応は魅力的なポイント。在宅需要も兼ねる14型を用意しながらも、モバイル特化の仕様をより鋭く尖らせてきたSX12は、小型にこだわる人に刺さる一台だ。レノボの「ThinkPad X13s Gen 1」も5Gミリ派に対応し、ノートPCの未来を感じさせた。
ほかには、14年ぶりに意匠を一新したアップルの「MacBook Air」や、クラウドゲームサービスのストリーミングプレイに特化したASUSのChromebook、コスパの高さが光るHPのカジュアルゲーマー向けゲーミングノートなどをピックアップした。
ITライター 井上晃さん
スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器をベースにしながら、最新ガジェットやデジタルサービスを幅広く網羅するIT系ライター。雑誌やWebメディアを中心に、レビューやコラムも寄稿している
【PC・デジタル家電部門 ノートPC】
【大賞】
1. 軽快なモバイルノートこそ細部のこだわりが大事
小型で軽量ながら、フルピッチのキーボードを搭載。映像出力ではUSBやHDMIもカバー。モバイル通信も使え、デザインも良い。通勤・通学とリモートが混在する時代にぴったりな一台でしょう
VAIO
「VAIO SX12」(実勢価格:16万9800円〜)
2021年秋にフルモデルチェンジしたモデルで、'22年7月には第12世代インテルCoreプロセッサー搭載の「VJS125」シリーズが発売された。5G対応モデルが選択可能。12.5インチモデルでは、約899g〜という軽さが際立ちつつ、約26時間のバッテリー駆動時間も実現している。
▲電源ボタン一体型の指紋センサーを搭載。顔認証機能やオートロック機能も備えている
▲標準モデルが搭載する上位プロセッサーのCore i7-1260Pは、従来モデル(VJS124)のCore i7-1195G7と比べて151%高速化
▲標準モデルのカラーはファインブラック、ブライトシルバー、アーバンブロンズ、ファインホワイト、ローズゴールドの5色
【風雲児賞】
2. 長く愛されたデザインを約14年半ぶりに刷新
MagSafe端子の搭載や画面のノッチ、4つのスピーカーなど、機能面でも意欲的な改良が目立ちます。物価高の影響を大きく受けている時世に、良いタイミングで付加価値を上げてきた一台だといえます。廉価機と上位機の間を埋める実用的な選択肢です
Apple
「MacBook Air」(16万4800円〜)
2022年7月に発売された「M2」チップ搭載のMacBook Air。MacBook Proシリーズのように、ノッチやフラット形状が採用された。従来機と比べると、ディズプレイサイズは13.3インチから13.6インチへと微増。「M1」搭載のAirも従来デザインのまま併売中だ。
▲上位のMacBook Proシリーズと同じく、フルハイト(前後の幅が広い)のファンクションキーを搭載。Touch IDも大きくなった
▲充電用ポートには、磁気で本体と固定する「MagSafe」端子を搭載。別売りの67W電源アダプタを用いると、30分で50%充電できる
▲デザイン特許を取得している従来の「ウェッジシェイプ(くさび形)」と称される意匠ではなく、フラットな形状が採用された
【モバイル賞】
3. 5Gのミリ波帯にも対応するThinkPad
ARM版Windowsゆえ、アプリによっては挙動に注意が必要なものの、モバイル性能は抜群。主用途がWeb閲覧や書類作成なら心強いモデルです。MILスペック12項目準拠の堅牢性やデジタルウェルネス機能にも注目
レノボ・ジャパン
「ThinkPad X13s Gen 1」(実勢価格:18万4778円〜)
Snapdragon 8cx Gen 3をいち早く搭載した、2022年6月発売の13.3型モバイルノート。5G通信はサブ6とミリ波帯をサポートし、大容量ファイルの転送や高品質なオンライン会議を可能とする。質量は比較的軽量な1.06kg〜。バッテリー駆動時間は最大約31.2時間。
▲内蔵スピーカーはキーボードの左右に配置。主なインターフェースはUSB Type-Cとヘッドホン・マイク端子だ
▲Snapdragon 8cx Gen 3を搭載。起動が素早く、常時接続性やバッテリー持ちに優れている。ただし、ミリ派対応モデルは36万円超え
【トレンド賞】
4. クラウドゲーミングを意識したChromebookの新しい方向性
GeForce NOWやXbox Cloud Gamingといったクラウドゲームサービスの利用が前提。日本の提供状況だとリフレッシュレートの高さは生かしにくいものの、カジュアルに遊びたい層には10万円を切る価格は魅力
ASUS
「ASUS Chromebook Vibe CX55 Flip(CX5501)」(実勢価格:8万9800円〜)
2022年10月に発売された15.6インチのゲーミングChromebook。リフレッシュレート144Hzをサポートするディスプレイを搭載。チップセットは第11世代のCore i3とCore i5の2種類を選択できる。WASDキーは、縁がオレンジ色に塗られており、誤入力を防止するアンチゴースト機能を備えている。
▲インターフェースにはUSBType-C(USB3.2 Gen2x2)やType-A(USB3.2)、microSD、HDMI、オーディオジャックを搭載
【コスパ賞】
5. 爽やかな意匠でカジュアルゲーマーに訴求
一時期はAMD版のモデレートモデルが9万円台で入手でき、コストパフォーマンスの高さが際立っていました。現在は完売御礼となっていますが、最小構成は14万円台〜で、その他モデルもバランスが良く魅力は健在です
日本HP
「Victus16」(実勢価格:14万4800円〜)
カジュアルゲーマーやPCゲーム初心者をターゲットにしているブランド。16.1型の「Victus 16」は、2021年から'22年にかけて発売された。Intel版とAMD版を展開し、どちらもリフレッシュレートは144Hz。2022年8月には15.6型の「Victus 15」(実勢価格:12万5820円〜)も発売された。
▲セラミックホワイトのボディは、ゲーミングノートPCらしからぬ明るく爽やかな印象。天面は「V」のロゴ付き
▲テンキー付きのキーボードを搭載。ポート類は豊富で、有線LANやHDMIも搭載している
<取材・文/井上晃>
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