神戸というと「港町」のイメージがパッと思い浮かぶはず。しかし、大都会の近くに里山があり、自然豊かな環境が広がっています。

神戸のターミナル駅、三宮から車でおよそ30分。神戸市北区の淡河(おうご)町は、都会の光景から一転、のどかな農村風景が広がっています。

実はこの淡河町は1579年(天正7年)ごろ、この地を支配した豊臣秀吉によって整備された歴史ある町です。また、神戸市立王子動物園で飼育されているジャイアントパンダのタンタンが食べる竹の採取地でもあります。

「道の駅淡河」から徒歩数分のところにある、淡河宿本陣跡。江戸時代、参勤交代で領地と江戸を往復する大名をはじめ、宮家や公家ら身分の高い人たちが宿泊した本陣だった場所です。その後、明石藩の大庄屋を務めた村上家の家屋でした。

50年以上空き家だったのが近年リノベーションされ、当時の面影が感じられる建物によみがえりました。2階建て瓦葺きの大屋敷、茶室、白壁の土蔵などが今も見られます。

特に注目を集めたのが、2021年公開の映画『るろうに剣心 最終章』The Final/The Beginningのロケ地の1つとなったこと。劇中、主演の佐藤健さん演じる剣心が桂小五郎と会話するシーンが屋内で、新選組の屯所のシーンが中庭で撮影されました。

建物内では、カフェ「本陣 なな福」が旅行客や地元の人々らに人気です。看板メニューの蒸し鯖寿司、地元淡河の素材を使った定食やドリンクなどが味わえます。座敷の畳や縁側の席で映画のシーンを振り返りながら過ごす時間はまた格別です。

その他、落語会や生け花教室なども随時開かれています。道の駅淡河と合わせ、訪れてみてはいかがでしょうか。

淡河宿本陣跡

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(Written by AS)