8月5日から7日まで、札幌市内で「Pokémon GO Fest(ポケモンGOフェスト)2022 Sapporo」が開催されました。例年のポケモンGOフェストと同様に有料で、チケットを購入した人のみ参加できるイベントです。

場所は、中島公園と札幌市内の2カ所。8時から13時30分が午前の部、14時30分から20時が午後の部と、各日2部制での開催です。午前の部に中島公園を選んだトレーナーは、午後の部は札幌市内でプレイ。午後の部で中島公園を選んだトレーナーは、午前の部は札幌市内でプレイします。つまり3日間で6パターンの組み合わせがあり、コロナ禍でも密にならないように配慮されていました。

前回の中島公園のレポートに引き続き、ライター岡安と編集安川が「ポケモンGOフェスト 2022 Sapporo」を振り返ります。今回は市内の様子をお伝えします。

○市内の「スペシャルリサーチ」で、ウルトラビースト「デンジュモク」登場

安川:さて第2部の開始です。前回のおさらい。「ポケモンGOフェスト 2022 Sapporo」に参加すべく北海道に向かったライター岡安。会場となった中島公園は、4つのエリアに分割され、それぞれのエリアにポケモンが闊歩していた。さらにトレーナーにはさまざまな試練が与えられ、1人、また1人と脱落する。なんとか試練を乗り越えた岡安は、そこでシェイミー(スカイフォルム)に出会う。これで中島公園の平和は保たれたが、未解決である札幌市内へ向かわねばならなかった――。

岡安:まあ、そうですけど、何かありました?

安川:え、何がですか。で、午後の部、札幌市内はどんな感じでした。

岡安:街のスペシャルリサーチが出現しました。これは6月のポケモンGOフェストに登場したウルトラホールのイベントで、前回はウツロイドが登場しましたが、今回はデンジュモクが登場しました。

安川:これも公園と同様に現地でクリアしないとならないやつだったんですか?

岡安:これはイベントが終了してもクリアできるやつでしたね。でも、先のタスク内容がわからず、もしかしたらイベント中でないとクリアできないタスクがあるかもしれなかったので、急いでやりました。

安川:ああ、先のタスクがわからないと、すぐやるべきかどうかの判断ができないですよね。

岡安:出現するポケモンは、中島公園と同じでした。ただ、札幌市内はエリアで区分されていないので、中島公園の4つのエリアのポケモンがすべて混ぜこぜで出現します。

安川:ピンポイントで狙うことは難しくなりますが、どこにいてもすべてのポケモンとエンカウントできるのはいいですね。

街バージョンのスペシャルリサーチも用意されていました

スペシャルリサーチを進めて行くとデンジュモクが出現します

札幌市内では、フローズンレークで出現したハリーセンと夢の世界で出現したコダックやケーシィが同じ場所に出現します

岡安:観光しながら捕まえられるのもよかったです。正時になるとポケモンがアンノーンに変化するのも中島公園と同じでした。ただ、中島公園はイベント用のポケストップやジムが建てられていたので、ポケモンの湧きがすごかったんですけど、札幌市内はいつも通りのポケストやジムの数だったので、ルアーモジュールを使ってもそれほどポケモンが出てきませんでした。それと、正時のことを忘れがちで、アンノーンとのエンカウント数が少なく、市内ではアンノーンの色違いを取れていません。

安川:色違いのポケモンは中島公園くらい出たんですか?

岡安:札幌市内では4匹でした。ちょっと疲れていたので、公園よりも捕獲ペースが鈍っていたと思います。ただ、カウボーイハットをかぶったカビゴンの色違いが出てくれたので、それはうれしかったですね。

安川:なるほど、それなりに出たんですね。









札幌市内でゲットした色違いポケモンは、サンド(アローラのすがた)、ビードル、カウボーイハットをかぶったカビゴン、エビワラーの4匹

岡安:あとは、残ったレイドパスを消化するためにレイドバトルをしました。レイドには、パルキア、クレセリア、ダークライなどが出現していましたが、どれも色違いは出現せず。キバゴも何回かやりましたが、ダメでした。

安川:まあ、アメがもらえただけいいですね。

○ピカチュウランウェイやラッピング車両など、街全体が“ポケモンGO色”に

岡安:ゲーム内イベントはそんなところです。札幌市内はどちらかと言うとリアルイベントがメインでしたね。

安川:中島公園で言うところのフォトスポットやロコンのグリーティングみたいな演出があったんですか?

岡安:そうです。札幌市内で最大のイベントとなったのは、ピカチュウランウェイです。横浜のイベントでも行われたピカチュウとダンサーによるショーですね。繁華街の広場でやっていたので、ポケモンGOフェストに参加していない人、『ポケモンGO』をやっていない人でも、無料で観ることができました。1日4回の公演があるんですが、トレーナーの多くは半日中島公園にいるでしょうから、2回観るチャンスがありました。

安川:ああ、着ぐるみのピカチュウがたくさん登場して、踊るやつですね。

岡安:着ぐるみ? ピカチュウが踊るんですよ。何を言っているんですか?

安川:失言でした。申し訳ございません。

ピカチュウとダンサーが踊りまくるピカチュウランウェイ。1日4回の公演がありました

たくさんのピカチュウが登場します

多くの人がピカチュウのダンスを楽しんでいました

癒やしの時間です

ファンサービスも忘れません

ピカチュウの控え室の壁紙もピカチュウだらけ

岡安:ほかは、市電のポケモンGOフェスト 2022のラッピング車両が印象的でした。

安川:札幌に行ったら乗りたいですよね。すべての車両がラッピングされているんですか?

岡安:実は1つだけだったんですよ。市電は環状線で、1周55分なので約1時間。待ち続ければ見ることはできます。

安川:いくら『ポケモンGO』をやりながらとはいえ、1時間も同じところにいるのは嫌ですね。

岡安:ラッピング車両は低床車両という新しい車両のポラリスに施されており、内回りで走っている情報を得ました。市電の駅では液晶パネルが設置してあって、今、どの車両がどこを走っているか分かるんですよね。時刻表にも低床車両かどうかわかるようになっていました。そのため、いつ来るか分かりやすくて、余裕でしたね。

安川:おお、そうなんですね。ラッピング車両には乗りました?

岡安:もちろん。でも、外観はポケモンGOフェスト仕様でしたが、車内はほかの車両と変わりませんでした。

安川:外から観る用ってことですか。

『ポケモンGO』ラッピングの市電ポラリス

ロコン(アローラのすがた)も笑顔です

ピカチュウやイーブイ、モクローなど、さまざまなポケモンが描かれています

岡安:札幌から大通りにつながる地下道には、『ポケモンGO』周年アート展がありました。毎年公開されている周年イラストが一堂に介しており、なかなか感慨深いものがありました。

安川:『ポケモンGO』も今年で6周年。7年目に突入ですからね。

『ポケモンGO』周年アート展

地下道に入る階段には「ポケモンGOフェスト 2022 Sapporo」の広告が

岡安:札幌市内の対象店舗で買い物をすると、ポストカードがもらえるキャンペーンもやっていました。

安川:ナイアンティックはこういうところがすごいと思います。イベントをやったら、ちゃんと開催地に還元されるように考えているんですよね。たしか、横須賀のイベントも商店街で買い物をすると何かもらえるキャンペーンをしていた記憶があります。

岡安:そうでしたね。今回は、折角なので、北海道らしいものをと思い、HTB(北海道テレビ)の人気キャラであるonちゃんのキーホルダーを買ってきました。会計のときに『ポケモンGO』の画面を見せたらちゃんとポストカードがもらえました。

安川:おお、「水曜どうでしょう」でお馴染みのキャラクターですね。

ノベルティプレゼント対象店には、ステッカーが貼ってありました。ゲームセンターでは100円投入時に『ポケモンGO』の画面を見せるとノベルティをゲットできました

onちゃんのキーホルダーとノベルティのポストカード

岡安:これも横浜のイベントでやっていたものですが、フォトジェニックな写真を撮影できる「ポケジェニック」もありました。街中に点在していて、『ポケモンGO』のトレーナーでなくても撮影を楽しめました。

安川:中島公園は『ポケモンGO』のトレーナーのための場所で、札幌市内はすべての『ポケモン』ファンのためのイベントって感じですね。

岡安:そうですね。しかも、各スポットにはたくさんのスタッフが常駐していたので、撮影の順番待ちや見学場所の徹底などもできており、『ポケモン』に興味のない観光客や地元民の邪魔にならない配慮もされていました。あと、札幌市内ではサンバイザーをガンガン配っていて、明らかに『ポケモンGO』のイベントに来てないだろうっていう若い女性やお年寄りなどもかぶっていたのはおもしろかったですね。

安川:街全体だと管理しにくいと思いますけど、問題が起こっていないようなので、イベントとしては上出来でしたね。

ロコンとアローラロコンと一緒に撮影できるベンチ

大丸ではピカチュウの10万ボルトをくらうことができます

ピカチュウの影の足の先端に立つと、自分の影がピカチュウになるポケジェニック

これはポケジェニックではないと思いますが、街のスペシャルリサーチの目玉であるデンジュモクがガラス窓に貼られていました

岡安:『ポケモンGO』内にも、イベント限定のポケストップを巡る「おすすめ散策コース」が用意されていました。ポケストップのフォトディスクがこれまでの『ポケモンGO』の起動時に表示されるローディングスクリーンになっていて、ポストカードをゲットできるものです。

安川:なんか『Ingress』のミッションメダルみたいですね。

岡安:記念として残るのでやっておきたかったんですが、すでに1日で3万歩以上も歩いたので、さすがにやれませんでした。

安川:3万歩はすごいですね。お疲れさまでした。

『ピクミンブルーム』の歩数計測によると35094歩も歩いていました

岡安:中島公園の5時間半はやること多くて、全集中してプレイしましたし、札幌市内でさらに5時間半のポケ活でしたから、さすがにヨレヨレでした。札幌は最高気温が25度くらいで、過ごしやすかったため、それだけ活動できたとも言えますね。関東圏だと、おさんぽおこうの15分間でスマホが熱暴走を起こすこともありましたから。

安川:北海道以外でしたら、人間もスマホも耐えられなかったかもしれないですね。

公園の温度計では12時過ぎで23度を表示していました

岡安:なにはともあれ、大満足のイベントでした。公園でプレイして、街に繰り出す感じはシカゴのイベントを思い出しました。あのときは苦肉の策でしたが、この形は人を分散できますし、地域との関わりが深くなるのでいいですね。

安川:今後も期待ですね。

岡安:8月27日には、今年のポケモンGOフェストを締めるフィナーレが開催されます。「ポケモンGOフェスト 2022 Sapporo」に参加した人はそのチケットで参加できますし、そうじゃない人は10.99ドルのチケットで参加できるので、ぜひご検討を。

安川:フィナーレは対象地域がないんですよね。シェイミー(スカイフォルム)もゲットできるみたいですし、やってみようかなぁ。

岡安:札幌レベルの色違いの出現があるのであれば、チケット代は高くないと思いますよー。

著者 : 岡安学 おかやすまなぶ eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。様々なゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)。@digiyas この著者の記事一覧はこちら