「仕事ができる」と言われる人の時間管理術/フランクリン・ プランナー
「あの人は仕事ができる」「あの人のように仕事をこなしたい」と言われる人がいます。
どういう人のことを言うかといえば、
・人とはまったく異なる大きな成果を出す
・人が思いつかない解決策を用意できる
・人脈が広く、問題が起きてもその道のプロを紹介できる
・仕事を楽しそうに行う。不平不満が少ない
・余裕がある
・常に人から頼られる
・誰とでもフランク
・出世が早い
・抱えている(関与している)プロジェクトは多く手際がいい
突き詰めれば、「人よりも短い時間で多くの成果を出す」ということに集約されそうです。しかも、その姿に必死さは少なく、余裕を持ってこなしているということなのでしょう。
当然、仕事ができる人は他の人より多くの案件を抱えています。その案件のこなし方が他の人とは異なるということです。
他の人よりも多くの成果(しかも、ワンパターンではなく様々な業務において)を出すわけですから、成果の出し方を知っているということになります。ビジネス・パーソンとしては、誰もがあこがれる存在と言えるでしょう。
バリューチェーンを複数持っている
通常、仕事が忙しく、それなりの結果を出している人は、自分の成果、オリジナリティの出し方を持っており、「この仕事はあの人に任せておけば大丈夫」という信頼関係において、仕事が依頼されます。
ただし、この成果の出し方(バリューチェーンと呼びます)がひとつしかない、あるいは少ないと、すぐにキャパオーバー状態になり、いろいろなところに齟齬が出てきます。
忙しすぎて手が回らない状態です。そうなると、納期遅れや初歩的なミスも起こりがちで、徐々に信頼関係が崩れていきます。
仕事ができる人は、このバリューチェーンを複数持っています。つまり、信頼できる自分のパートナー、ブレーンが何人もいます。しかもチームとして持っています。
ですから、キャパオーバーになることもありません。
やるべきことが明確でぶれない
多くのことを抱えていますから、モレやヌケがないように、やるべきことは周到に計画されています。そして決めたことはやり抜きます。約束した時間は何があっても守ります。
仕事ができる人は「急なトラブルで間に合わなくて」などとは決して言いません。
「忙しい」アピールが何の役にも立たないこと、こうしたほんの些細なほころびがその後の仕事における信頼関係にひびが入ってしまうことを知っています。
起こりうることを予測したうえで、やるべきことが明確であり、些細なことに振り回されたりせず、決めたことは必ずやり抜きます。
「今」本当は何をやるべきか
とはいえ、様々な案件、プロジェクトにかかわっていますから、その分、いろいろなことが起きます。なかには、1日放っておいたことで、致命的なダメージをもたらすことも考えられます。
その日にやるべきことは明確で、やり通すのですが、計画を変更することに躊躇はありません。その時点においてベストな選択をします。
バランスをとりながら、本当に今やるべきことを実行します。
「仕事ができる」人の時間管理
仕事ができる人は、前述のような特徴を持っていますが、これらは、普段の時間管理をいかに行うかの問題であることも明らかです。仕事ができる人の時間管理には次のような特徴があります。
・バリューチェーン開発の時間をとる
多くの場合、信頼関係を築くことができるのは、実際の仕事を通してということになりますが、そのためには普段からのネットワークづくり、情報提供、関係づくりを怠りません。
バリューチェーンを複数持つためには、単なるスケジュール管理やTODOリストの作成だけではなく、1か月〜数か月単位での社内外両方でのブレーンづくり、ネットワークづくり、あるいは、会食で使えそうなレストランでの食事、知識習得の時間を計画します。地道な努力がいざというときに役に立ちます。
・1か月、1週間、1日、でのタスク・リストが完備
多くのビジネス・パーソンは、備忘録としてTODOリストを作成しますが、仕事ができる人は、1か月、1週間、1日の遂行すべきタスクが明確です。
タスクの内容は、時間軸で変わってきます。たとえば、1か月では「プロモーションイベントの実施」でも、1週間では「タイムテーブルのフィックス」となり、1日では「登壇者との予算交渉」といった内容になるかもしれません。
どれだけタスクを計画しても、時間軸がずれていれば、何の役にも立ちません。
仕事ができる人は、時間軸が明確です。
・計画の振り返りと再計画
想定外のことは毎日起こります。またタスクの進捗も様々です。1日の終わりに、今日を振り返り、予定外の出来事に対して再計画を立てます。
また、関係者への報告、自分への情報にモレがないかを確認します。
トラブルの大半は、報告のヌケや入手情報の見逃しなどの連絡のミスから起きます。
時間管理とは、単なるスケジューリングではありません。あくまで成果にフォーカスし、自分に合った時間管理の方法を身に付けましょう。