2022年5月24日から27日まで台北で開催される技術見本市「Computex Taipei 2022」で、AMDが次世代RyzenプロセッサとなるRyzen 7000シリーズを発表しました。Ryzen 7000シリーズは2022年秋に市場へ投入される予定です。

AMD Showcases Industry-Leading Gaming, Commercial, and Mainstream PC Technologies at COMPUTEX 2022 | AMD

https://www.amd.com/en/press-releases/2022-05-23-amd-showcases-growth-gaming-commercial-and-mainstream-mobile-and-industry

AMD Ryzen 7000 Announced: 16 Cores of Zen 4, Plus PCIe 5 and DDR5 for Socket AM5, Coming This Fall

https://www.anandtech.com/show/17399/amd-ryzen-7000-announced-zen4-pcie5-ddr5-am5-coming-fall

AMD Intros Zen 4 Ryzen 7000 CPUs and Motherboards: Up to 5.5 GHz, 15%+ Performance, RDNA 2 Graphics | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/news/amd-intros-zen-4-ryzen-7000-cpus-and-600-series-chipset-up-to-55-ghz-15-performance-rdna-2-igpus-pcie-5-ddr5

Computex Taipei 2022におけるAMDの基調講演は以下から見ることができます。

AMD at Computex 2022 - YouTube

発表されたRyzen 7000シリーズのおおまかなスペックと、Ryzen 5000シリーズ・Ryzen 3000シリーズとの比較をまとめた表が以下。

 Ryzen 7000シリーズRyzen 5000シリーズRyzen 3000シリーズアーキテクチャZen 4Zen 3Zen 2最大コア/スレッド16コア/32スレッド16コア/32スレッド16コア/32スレッドGPURDNA2なしなし対応メモリDDR5DDR4DDR4対応ソケットAM5AM4AM4PCIeレーンPCIe 5.0 x 24PCIe 4.0 x 24PCIe 4.0 x 24製造プロセスCCD(CPUコアダイ):TSMC N5
IOD(I/Oダイ):TSMC N6CCD:TSMC N7
IOD:GlobalFoundaries 12nmLP FinFETCCD:TSMC N7
IOD:GlobalFoundaries 12nmLP FinFET

AMDのリサ・スーCEOはRyzen 7000シリーズが「デスクトップPC向けのCPUとして世界初の5nmプロセス採用プロセッサ」であるとアピール。最大16個のコアを搭載したCCD(CPUコアダイ)はTSMCの5nmプロセスであるN5で製造されています。また、IOD(I/Oダイ)はTSMCの6nmプロセスであるN6で製造されているほか、RDNA世代のGPU、DDR5メモリコントローラー、PCIe 5.0コントローラーを内蔵します。



AMDはZen 4アーキテクチャについて詳細を開示していませんが、現時点では1コア当たり1MBのL2キャッシュを搭載することは明らかにしています。また、L2キャッシュの改善と共に、AMDはより高いクロック周波数を目指していることを示しており、Ryzen 7000シリーズの16コア搭載モデルの最大ブースト周波数が「5GHz以上」、シングルスレッド性能は15%以上向上したとしています。



基調講演の中でスーCEOが公開した「Ghostwire:Tokyo」のプレイデモでは、CPUクロックが「5.5GHz」と示されていました。



また、スーCEOはBlenderを使ったレンダリングベンチマークでは、第12世代Intel Core i9-12900Kよりも31%のパフォーマンス向上が見られたとアピールしています。



ZenベースのCPUファミリーはこれまでSocket AM4に対応してきましたが、Zen 4アーキテクチャのRyzen 7000シリーズからはSocket AM5に対応。Socket AM4のPGA1331はCPU側にピンがある仕様でしたが、Socket AM5はLGA1718でマザーボード側にピンがあるため、CPU側のピンがなくなります。つまり、「CPUクーラーを外した時にCPUも一緒に抜けてしまい、CPUのピン折れが発生してしまう事故」が発生しなくなるというわけです。



また、AMDはocket AM5に対応したチップセットとして、X670E・X670・B650を発表しました。このうちB650はオーバークロックをサポートしておらず、PCIe 5.0への対応はM.2スロットのみとなっています。



SX670Eチップセットを搭載したマザーボードはASRock・ASUS・Biostar・Gigabyte・MSIからリリースされる予定です。



Ryzen 7000シリーズは2022年秋に市場へ投入される予定ですが、記事作成時点ではどのようなモデル構成になるのかは不明です。