A13 Bionicチップ搭載、5K Retinaディスプレイ採用のAppleのハイエンドモニター「Studio Display」のユーザーから多数指摘があったウェブカメラの低品質問題を解消するためのベータファームウェアが開発者向けにリリースされました。

Studio Display's poor webcam quality is not a software bug - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2022/04/26/apples-studio-displays-poor-webcam-quality-is-not-a-software-bug-after-all/

Apple has a beta firmware to fix the Studio Display's bad webcam

https://www.xda-developers.com/apple-studio-display-webcam-beta-firmware/

Studio DisplayはAppleが2022年3月9日の新製品発表イベントで公開したハイエンドモニターです。画面の有効領域は27インチ、解像度は1470万ピクセルという5K Retinaディスプレイに加え、12MP・122度視野角・Macで初めてセンターフレームに対応したカメラも主要な特徴の1つとして紹介されていましたが、実際に手に取ったユーザーからは「他のAppleデバイスよりもカメラの品質が悪い」と批判されていました。ほとんどの場合画像がぼやけて見え、色あせて、ノイズが多くなることがユーザーにより指摘されたため、Appleは「今後のソフトウェアアップデートで改善を行う予定」としていました。

そして4月26日、Appleはカメラの画像処理を強化するベータファームウェアを開発者向けにリリースしました。アップデートはmacOS Montereyの最新ベータ版を実行しているユーザーのみが利用でき、一般にリリースされる日付は不明です。

実際にアップデートを実施したユーザーからはいくつかの変更点が指摘されています。開発者のジェームス・トマソン氏はアップデート後(1枚目)、アップデート前(2枚目)、iMac Pro(3枚目)でそれぞれ撮影した画像を公開し、「アップデートによりノイズがかなり少なくなり、コントラストが少し高くなったが、iMac Proと比較するとまだかなり色あせている」と報告しました。





ライターのジェイソン・スネル氏はアップデート後(左)とアップデート前(右)で撮影した動画を公開し、「アップデートによりトリミングの範囲が広がり、より広範囲を映すようになった」と報告しました。スネル氏も試しているセンターフレーム機能は映した画像をデジタルでトリミングして表示しているのですが、このプロセスにより画像の品質が低下することがあります。アップデートにより、Appleはトリミング処理そのものに変更を加えた模様です。

Apple Studio Display - firmware comparison (original vs april 26 update) - YouTube

Apple関連のニュースをまとめる9to5Macは「残念ながら、Appleがソフトウェアのアップデートに関して何をしても、Studio Displayのカメラを劇的に改善するものは何もありません。この問題を解決するための唯一の可能な解決策は、より高い解像度のセンサーを使用して、トリミングされた画像が少なくとも12MPになるようにするか、より大きなセンサーを使用してより多くの光をキャプチャすることです。しかし、これにはハードウェアそのもののアップグレードが必要です」と述べました。