このランプにこのドアハンドル見たことある! ウン千万級スーパーカーなのに日本車の「部品」が流用されているクルマ4台
この記事をまとめると
■国産大衆車のパーツがスーパーカーに使用されていたケースがある
■デザインが自然に馴染んでおり、言われないとわからないような物も
■元のパーツの値段は安価なはずだが、流用先のメーカーから取り寄せた際の金額は不明だ
そのパーツ、じつはお馴染みのあのクルマと一緒でした
先日発表された“軽タハム”ことケータハム セブン170は先代に引き続きスズキ製の660ccエンジンが搭載され、日本国内では軽自動車として登録できるモデルとして話題を集めている。
先代モデルのセブン160はジムニーなどに搭載されたK6Aターボエンジンが搭載されていたが、今回登場したセブン170には新世代のR06Aターボエンジンに置き換えられ、日本の自主規制値にとらわれない85馬力を発生したことも知られるところだ。
このように、じつは日本車から流用されたパーツを備える輸入車は実は珍しいことではない。とくに少量生産のスーパーカーやスポーツカーにおいてはこの傾向が顕著なのだが、これは少量生産だけにすべてのパーツを専用開発するよりも、すでに存在する(イメージに合った)パーツを流用する方がコストが抑えられるというのが大きな理由のひとつのようだ。
そこで今回は、輸入車に流用されている日本車のパーツをピックアップしてご紹介しよう。
1)ロータス エスプリ
ボンドカーとして活躍したことでも知られるロータス エスプリには、日本でも人気の車種のパーツが使われていることは有名なエピソードのひとつだろう。
そのパーツとはテールランプユニットであり、なんとAE86型カローラレビンの前期型3ドアモデルに使われていたものがそのまま使用されているのだ。ちなみにややこしいことに3ドアと2ドアでもデザインが異なり、前期後期でもデザインが変更されているため、“前期型3ドア”に限定されるという点には注意が必要だ。
ちなみにエスプリには日本車ではないが、クラシックミニに使用されていたウインカーレバーも流用されており、その後に登場したエリーゼやエキシージにもローバーやトヨタのエンジンが搭載されているなど、流用パーツの多いメーカーとなっている。
2)アストンマーティン DB7
1994年におよそ23年ぶりに“DB”の冠を与えられたモデルとなったアストンマーティン DB7。正直我々一般人には縁遠いモデルであるのだが、じつは身近な日本車のパーツが使用されていたのだ。
まずはテールランプ。これはファミリアアスティナのものが使われており、ガーニッシュによってぱっと見の形状が異なるように見せかけているが、ランプの配置などを見れば共通のものであることが分かるだろう。
さらにドアのアウターハンドルはファミリアのものが流用され、インナーハンドルはユーノスロードスターのものが使われている。さらに前後バンパーに備わるリフレクターも同じくユーノスロードスターのものが使われているのである。
これは当時のアストンマーティンがフォード傘下にあったことが影響していると考えられ、当時提携関係にあったマツダのパーツが使用されたというのが理由と言われている。
スーパーカーたちを彩るパーツもじつは普通車からの流用だった
3)ケーニグセグCCX
スウェーデンのスーパーカーメーカーであるケーニグセグの代表的なモデルのひとつであるCCX。ミッドシップに搭載されるエンジンはフォード製のものをベースとしているが、ケーニグセグ社による再設計により817馬力を発生し、それを後輪にのみ出力するというスーパーカーに恥じないスペックを誇るモデルである。
そんなケーニグセグCCXであるが、リヤバンパーに埋め込まれたバックランプ兼リフレクターには、なんと日本のRX-7(FD3S)のものが流用されている。
あまりに自然に収まっているため見落としてしまいそうになるが、言われてみれば確かにFDのそれなのだ。
4)ベクター M12
アメリカのカリフォルニア州に拠点を置くベクターモーターズが1995年から99年にかけて、わずか18台のみを生産したスーパーカーがベクター M12だった。
もともとこのモデルは90年代初頭にデビューする予定だったのだが、当時のランボルギーニの親会社であったインドネシアのSedtcoグループ傘下の会社から敵対的TOBを受け、結果的に当時のランボルギーニ ディアブロのパワートレインなどを流用した実質的な兄弟車として世に出ることになったのだ。
そんな紆余曲折を経たベクターM12のフロントコンビランプにはユーノスロードスターのものが使用されており、当時1700万円ほどと言われディアブロよりも安いと評されたが、流用元のロードスターからしてみれば10倍の価格ということになり、当時補修部品として注文したら一体いくらの請求書が来たのかが気になるところである。