「青春18きっぷ」を利用した鉄道旅行は格別だ(JR山陽本線の車窓から)

写真拡大

JR各社から2021年度の「青春18きっぷ」の発売期間・利用期間が発表された。

コロナ禍ということもあり、乗り鉄の方にとっては一安心というところだろう。今回は21年度「青春18きっぷ」の概要を確認し、コロナ禍における鈍行旅行のスタイルについて考えてみたい。

3期間にわけて発売される「青春18きっぷ

青春18きっぷ」は、JR線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT、JR西日本宮島フェリーで利用できる。

特例として奥羽本線青森〜新青森駅間、石勝線新得〜新夕張駅間、宮崎空港線宮崎空港〜宮崎駅間、佐世保線早岐〜佐世保駅間では特急列車の普通車自由席を利用できる。「青春18きっぷ」と合わせて「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(2490円)を購入すると、北海道新幹線奥津軽いまべつ〜木古内駅間と道南いさりび鉄道木古内〜五稜郭間に乗車できる。

基本的にJR線以外の鉄道は利用できないが、青い森鉄道青森〜八戸駅間・青森〜野辺地駅間・八戸〜野辺地駅間、あいの風富山鉄道高岡〜富山駅間、IRいしかわ鉄道金沢〜津端駅間では通過利用が認められる。

2月8日に発表された21年度の利用期間・発売期間は次の通り。

春季(利用期間:3月1日〜4月10日、発売期間:2月20日〜3月31日)
夏季(利用期間:7月20日〜9月10日、発売期間:7月1日〜8月31日)
冬季(利用期間:12月10日〜22年1月10日、発売期間:12月1日〜12月31日)

価格は従来と同じ1万2050円、1枚につき5人(回)となる。

マイクロツーリズムのお供に?

かつては夜行快速列車「ムーンライト」シリーズが全国各地を走り、長距離格安旅行のお供として利用されてきた「青春18きっぷ」。しかし1月に東京〜大垣駅(岐阜県大垣市)間を結んだ「ムーンライトながら」の廃止が決定し、「ムーンライト」シリーズは事実上絶滅した。

また「Go Toトラベル」への社会の反応等を考慮すると、たとえ緊急事態宣言が解除されたとしても、長距離移動を伴った格安鈍行旅行はしづらい環境になるだろう。

このように考えると、2021年度「青春18きっぷ」の利用スタイルは、短期間で1人ないし家族で県内・地域内の観光地をめぐる形が良いのではないか。いずれにせよ、感染症に注意しながら、鉄道旅行を楽しみたいところだ。

(フリーライター 新田浩之)