坂東龍汰に注目!
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 公開中の映画『スパイの妻<劇場版>』で高橋一生ふんする優作の甥・竹下文雄を演じた坂東龍汰。主演の蒼井優や高橋ら実力派俳優たちの間で、きらりと輝く存在感を放つ坂東に注目したい。

 第77回ベネチア国際映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)に輝いた本作は、太平洋戦争前夜の日本を舞台に、満州で目にした国家機密を世界に知らしめようとする貿易会社社長の優作(高橋)と、その妻・聡子(蒼井)の運命を描く名匠・黒沢清監督の最新作。

 そんな同作で、優作とともに満州で衝撃的な出来事を目撃してしまう甥っ子の文雄を演じたのが坂東だ。満州に行く前と後でまったくの別人といっていいほど様子が変わってしまう文雄だが、坂東はその変化を見事に演じており、SNSなどでも「すごく良かった」「声や佇まいがすごくいい」「存在感があった」という称賛の声が見受けられる。

 同作の撮影について、坂東は17日に行われた舞台あいさつで「すごく憧れていた大先輩の方々と黒沢清監督とできるということで、ワクワクしながらも最初は緊張もありました。でも、蒼井さん、高橋さん、東出(昌大)さんが撮影以外のところでもお話をしていただいて。監督もすごく優しく丁寧に説明しながら演出をつけてくださったので、ガチガチに緊張するのかなと思っていたのですが、結構リラックスして撮影を終えられた感じがしました」と振り返っていた。リラックスした様子で先輩俳優たちとの撮影をこなしていく坂東の姿を見た黒沢監督は、「将来大物になる、そういう器なのかな」と感じたという。

 坂東は、1997年5月24日生まれの北海道出身。2017年に俳優デビューした若手で、これまでに映画『十二人の死にたい子どもたち』『閉鎖病棟−それぞれの朝−』や、ドラマ「春子の人形」「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」などに出演。

 2020年に入ってからは『犬鳴村』『静かな雨』『#ハンド全力』と出演映画が多数公開されており、なかでも渡辺航の漫画を実写映画化した『弱虫ペダル』では原作でも人気の高いキャラクター・鳴子章吉を演じて視線を集めた。2021年6月18日には、司馬遼太郎の歴史小説を映画化した出演作『峠 最後のサムライ』の公開を控えており、今後さらなる活躍が期待される。(編集部・吉田唯)