スアレス、イタリア市民権取得の過程で不正行為? 語学テスト受験前に解答入手か

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 バルセロナに所属するウルグアイ代表FWルイス・スアレスが、不法移民事案などを取り扱うイタリア財務警察の調査対象となった模様だ。22日、イタリアの通信社『ANSA』や同国紙『La Repubblica』が報じた。

 今夏のバルセロナ退団が確実視されるスアレスは、先日までユヴェントスへの加入が決定的と報じられていた。しかし、ユヴェントスのEU圏外選手の登録枠には空きがないということが移籍の障壁となる。スアレスは妻がイタリア人系のために同国のパスポート取得資格を満たしており、ビジネス会話程度の語学能力が試される「B1レベル」の検査をペルージャ外国人大学で受験することになった。

 しかしながら、昨年2月から市民権取得における不正を調査しているというイタリア財務警察は、スアレスのテストで不正が行われたと主張している。報道によると、スアレスは受験前、事前に試験の関係者とテストの解答を共有していた模様。通常2時間半を要する口頭及び筆記テストを小1時間で終えて、試験に合格したようだ。

 さらに『Repubblica』紙は、関係者のスアレスに関する会話を傍受したという内容を紹介。そこでは、「彼はイタリア語を話せない。彼は動詞を活用できず、不定詞を使ってでしか会話できない。メディアが彼にインタビューをすれば、彼はしどろもどろになるだろうね」などと語られており、スアレスにB1を突破するだけの語学能力があったかは疑わしい状況となっている。

 スアレスは結局、チャンピオンズリーグの選手登録リスト提出日までにイタリアの市民権を取得することが困難であることが原因となり、ユヴェントスへの移籍は破談に。同クラブのファビオ・パラティチSD(スポーツ・ディレクター)も、「パスポートを取得するために時間がかかるため、彼は我々の獲得候補リストには載っていない。市民権問題が障害となった。時間を短縮することはできなかったので、彼を(リストから)外すしかなかった」とコメントしていた。

 そんなスアレスは現在、バルセロナとの契約を解除した上で、アトレティコ・マドリードに加入すると見られている。すでに個人合意にも至っており、まもなく移籍が公式発表される見込みだ。その一方でユヴェントスには、スペイン代表FWアルバロ・モラタがアトレティコから買い取りオプションの付帯したレンタル移籍で加入することになりそうだ。