シャープが生産するマスク。(写真:シャープの発表資料より)

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 シャープは24日、三重県にある自社工場でマスクの生産を開始したことを発表した。COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大への不安から、国内では2月からマスクが品薄となっている。日本政府は関係各所に増産を要請しており、シャープもマスクの生産に参入することを発表していた。

 24日から生産開始となったマスクは当面、1日約15万枚のペースで生産され、段階的に生産能力を拡大させることで1日50万枚を目指す。

 マスクの生産は三重県多気町の三重工場を利用して行われる。通常は液晶ディスプレイパネルの開発・製造に使われている同工場にはクリーンルームがあり、高度な衛生環境が求められるマスクの生産に適しているとして、マスク不足の解消を目指す政府から声がかかっていた。3つの製造ラインを利用して生産が開始されたが、最終的には10ラインを利用することによって、生産枚数を1日50万枚とする計画だ。

 生産されるマスクは3層プリーツ型不織布マスクで、3月中の出荷開始を予定している。50枚セットで1サイズのみの展開となり、販売価格は現在検討中。

 シャープによると、必要性の高いところへ届けることができるよう、当初は政府への納品を優先する。一般向けにはSHARP COCORO LIFEのECサイトで販売する予定だが、開始時期は未定。現状、ドラッグストアなどの店舗で販売される予定はない。なお、ECサイトを利用するためには会員登録が必要となる。

 新型コロナウイルスの感染拡大への不安から、世界的なマスクの品薄が続いている。国内では2月からすでに店頭でのマスク入手が困難になっており、政府は転売禁止などの対応策をとっている。マスクの生産設備を新規に導入する企業に対しても支援が行われており、シャープも今回の生産開始に伴い3,000万円の補助を受ける見込みだ。

 既存のマスクメーカーも増産を目指した取り組みを行っているが、シャープのように異業種からの参入の動きが増えることでマスクの品薄に歯止めがかかるのか、注目が集まる。

 電機メーカーのシャープはツイッターの公式アカウントで、「電気を使わない自社製品をツイート」するのは初めてだ、とのつぶやきを発した。