広瀬すず『一度死んでみた』監督もビビった振り切った芝居
広瀬すずが主演し、吉沢亮、堤真一らが共演したコメディー作品『一度死んでみた』が20日に初日を迎えた。NHK連続テレビ小説「なつぞら」をはじめ数多くの作品に出演する広瀬が、撮影現場で監督が驚くほどの振り切った芝居を見せている。
本作はauのCM「三太郎」シリーズなどを担当してきたCMディレクターの浜崎慎治監督が映画初監督を務め、「ホワイト家族」シリーズなどを手がけるCMプランナー/クリエイティブ・ディレクターの澤本嘉光が脚本を担った作品。大嫌いな父親が「2日間だけ死んじゃう薬」を飲んだことにより、主人公・野畑七瀬(広瀬)が騒動に巻き込まれていく。
七瀬は反抗期を引きずる“反抗期こじらせ女子”、デスメタルバンドのボーカル、女子大生、髪は半分ピンク……という濃いキャラクター。そんな役柄を任せることで浜崎監督は「こんなにも振り切った芝居をする広瀬すずは見たことないってくらい、今までとは違う新しい広瀬すずさんを見てみたかった」そう。
そして実際の撮影を終えた感想を「コメディーって自分の中で恥じらいとか色んなものを捨ててやらないといけない部分が多いと思うんですが、ご本人全く躊躇なく演じられていて逆にこちら側がビビるっていう(笑)。できる俳優さんっていつもそこの踏みこみ具合が凄くいいんですよね」と振り返っている。
CMの撮影で何度も一緒に仕事をしてきた澤本は広瀬について「シリアスな役からコメディー風の役まで幅がものすごく広い人。特に人と絡んだ時のリアクションが天性でとても上手い」と評し、「CM15秒での輝きを90分かけて見せてほしいなと思っていました。フランク・キャプラの映画のような古典名作コメディーを今できるスターだと思います。すべて見てほしいですが、細かいリアクションの絶妙さをぜひ見てほしい」と見どころを語る。
また、「なつぞら」でのタッグが視聴者を魅了した広瀬と吉沢の再共演が実現したことも今作の見どころの一つだ。吉沢演じる松岡は七瀬(広瀬)の父・計(堤)が経営する野畑製薬のゴースト社員で、存在感の無さをいかしながら七瀬と行動をともにする。
浜崎監督は「朝ドラに続いて広瀬さんとの共演だったと思いますが、全く違ったお芝居で完全にイケメンを封印してもらい、存在感がないゴースト社員を見事に演じてもらいました。今までにないお二人の演技もそうですが、コンビ感も見どころの一つです」と紹介。
澤本は「そもそも、この人(吉沢)絶対コメディーやるの好きなんだろうな感が出演作で真面目なものをやられてる時に感じられていたので、そして、完全になりきるタイプな方なので、存在感がない役、ということで映画の中で強烈に存在するという難しいお題に楽しそうに答えられる人だと確信してました。なのでその存在してない感じで強烈に存在してる姿をぜひ見てほしいです」とメッセージを送っている。(編集部・海江田宗)
映画『一度死んでみた』は全国公開中