この1年あまり、“最も勢いのある若手芸人” の名をほしいままにしてきた「霜降り明星」。対して、20年以上もお笑い芸人界のトップに君臨する「爆笑問題」。

 この2組が共演する『爆笑問題のシンパイ賞!!』(テレビ朝日系)にちなんで、爆笑問題を直撃。霜降り明星の、どこが心配?

爆笑問題・太田光(以下、太田)「霜降り明星に関しては正直、トークも漫才も心配はまったくない! 粗品のR-1での活躍も見てるし、2人とも達者なイメージだね」

爆笑問題・田中裕二(以下、田中)「俺は、M-1で初めて彼らのネタをちゃんと見て、『凄い才能が現われた』と思った」

太田「『明星』は知ってたけど、『霜降り』は知らなかった」

田中「ふつう、『霜降り』も知ってるだろ!」

霜降り明星・せいや(以下、せいや)「嬉しいなあ。一緒にレギュラー番組をやれるのは、本当に光栄ですよ」

太田「たしかに、(せいやには)俺に対するリスペクトはあると思うよ。粗品は知らんけど」

霜降り明星・粗品(以下、粗品)「ありますよ! 太田さんはもちろん、田中さんのツッコミは勉強になります」

太田「本当かよ。粗品の言い方は、全然心がこもってない」

せいや「共演してみても、本当に小さいころからテレビで見てる2人のイメージのまま。楽屋でも収録でも変わらず、ずっとキ○タマとか包茎の話とかしてるし」

太田「本当は俺ら、『下ネタ明星』ってコンビ名だからな」

せいや「でも、こんなに年の離れた先輩とレギュラー番組をやらしてもらう機会なんて、なかなかないですよね。小学生に戻って、そのころのスターと話をしてる感じです」

太田「それに比べて粗品は、お笑い自体に興味がないから」

粗品「どんな芸人や! ありますよ。爆笑問題さんは、“お笑いの先輩” というより、『東京のスター』というイメージです」

太田「SMAP的な感じか」

粗品「SMAPなら、誰がどれやねん!」

太田「(オール)阪神・巨人さんも凄いけど、東京のスターは別物だからな。なあ粗品」

粗品「そこ、なんで俺に振るんですか(笑)」

太田「唯一の心配は、粗品がまだ本性を隠している。心を開いてない点かな」

粗品「開放してますって!」

 芸人たちが、「爆笑問題チーム」と「霜降り明星チーム」とに分かれて、世の中に見られる、さまざまな心配ごとをレポートする『シンパイ賞!!』。

「霜降りチーム」として登場するのは、「EXIT」や「四千頭身」など、いわゆる “お笑い第七世代” とされる芸人が多い。じつは「第七世代」という言葉は、せいやがラジオで話したことから広まった。

せいや「まわりが言ってるだけで、『第七世代としての自負』みたいなのは、ないんです。それなのに、どの現場でも『第七世代と言い出したのは、せいや』という話になる。めちゃくちゃ気持ち悪いでしょ。

『こんな世代があれば、若手でお笑いブームが起きる』と仮説を立てただけなのに、それが広まったんです」

太田「第七世代という言葉が出てきてから、この番組にレポーターで出てる連中もそうだし、その世代の芸人たちが、みんなよくなったような気がする。

 俺たちも『ボキャブラ天国』で似たような状況があった。この番組に出てるような第七世代だけで、ひとつの番組をやってもおもしろいかも」

田中「第七世代の番組企画書が、バンバン出てそうだよね」

太田「うちのチームのレポーターは、同じく『ボキャブラ』に出ていた『BOOMER』とか『プリンプリン』とか、“芸人墓場” って感じだから。それはそれで、楽しんでほしい部分だけど」

粗品「めったに地上波に出ない芸人さんが見られますから」

せいや「失礼やな!」

太田「第七世代も、今はいい感じだけど、売れるやつ、売れないやつが出てくるぞ」

田中「ブームって、本人たちと関係なく、勝手に盛り上がる部分があるからね。第七世代という言葉が、せいやの発言とは関係なく、ひとり歩きするのはいいことだと思うよ」

せいや「飲むたびに先輩にも絡まれて、大変なんですよ」

太田「言っちゃった、せいやの責任はあるんだよ。『第七世代の中心は、霜降り明星』という認識は、なんとなくできてる。

『吉本印天然素材』のときの『ナインティナイン』みたいな立ち位置なんだから、そこは覚悟を持ってしっかりやってかないと。いずれは宮迫みたいなやつが、第七世代から出てきちゃうからな」

田中「そこで無理やり宮迫の名前を出すなよ!」

(霜降り明星の2人、苦笑)

田中「でも、『天然素材』は吉本(興業)が仕掛けたけど、第七世代は自然な盛り上がりだよね」

太田「そうそう。あれは踊ってるだけで、おもしろくもなんともなかったから(笑)」

田中「あれは、みんな嫌々踊ってたの! 昔は『THE MANZAI』や『ひょうきん族』みたいな番組があって、ブームが起きた。もしかすると第七世代は、そういう番組なしで、もう一度漫才ブームを起こしているのかもね」

太田「だから霜降りは、覚悟を決めたほうがいいよ」

せいや「第七世代の中心にいさせていただくのは、ありがたいですけど、自分で『俺が中心』とは言いたくない」

粗品「僕はリーダーのせいやについていくだけです」

せいや「こいつはこんな感じで、いちばんずるい! それに先輩方にも『俺は第何世代だ?』とか聞かれるんすよ……」

太田「誰だ? 中田カウス師匠だろ」

せいや「なんでですか(笑)」

粗品「ケンコバさんもラジオで毎回、『あのチビが、世代とか言い出したせいで、上の世代が怒っている』という話をしてますよね」

田中「誰かが線引きしたわけじゃないのにな」

太田「『にゃんこスター』は、第七世代なの?」

田中「入ってないよ! でも、『ぺこぱ』とか、あとから注目を浴びて、これから第七世代のくくりに入ってくる芸人も多いと思う」

太田「『ミルクボーイ』はかなり老けてるし、第二世代だな」

田中「そしたら、俺らの先輩だろ! 流行語大賞もそうだけど、そういうくくりや、言葉のきっかけがあるのは得だよ」

太田「このままだと、第七世代の中心という重圧で、せいやが仕事をしばらく休むことになって、粗品が女子アナと結婚するんだ」

粗品「それ、本物のナイナイさんじゃないですか?」

せいや「僕、1回休まんといかんの?」

太田「真面目な話、俺らも下の世代の芸人と、いろいろな番組で共演したけど、そのなかから『品川庄司』『レイザーラモンHG』『アンガールズ」とかが出てきた。

 下の世代の芸人が、急に売れる姿を目の前で見るのは、本当におもしろい。『パイレーツ』だって、売れるわけないと思ったら、売れちゃったし」

田中「後輩が売れるのは、何度経験しても嬉しいよね。『また、おもしろいやつが出てきた』って、いつも思う」

太田「この番組みたいに、また売れる若手芸人に便乗できるから(笑)」

ばくしょうもんだい
・おおたひかり(1965年5月13日生まれ、54歳)
・たなかゆうじ(1965年1月10日生まれ、55歳)
日本大学芸術学部在学中に出会い、1988年にコンビ結成。1994年から出演し始めた『タモリのSuperボキャブラ天国』(フジテレビ系)で人気を博した。現在も『サンデージャポン』(TBS系)ほか、MC番組多数

しもふりみょうじょう
・せいや(1992年9月13日生まれ、27歳)
・そしな(1993年1月7日生まれ、27歳)
当時、ピン芸人だった粗品が、せいやを誘い、2013年にコンビ結成。2018年の『M-1グランプリ』で史上最年少優勝を果たし、ブレイク。冠番組の『霜降りバラエティ』(テレビ朝日系)をはじめ、2019年のテレビ番組出演本数は307本

※『爆笑問題のシンパイ賞!!』は毎週金曜24時50分から、テレビ朝日にて放送中(※一部地域を除く)

(週刊FLASH 2020年3月3日号)