記憶に残るシーンもたくさん
 - 提供:NHK

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 戸田恵梨香がヒロインを演じる連続テレビ小説「スカーレット」(NHK)が来年1月6日から第15週に突入する。後半戦に入る前に、14週目までに起こった出来事を振り返る(以下、第14週までのストーリーに触れています)。

9歳の喜美子が信楽に!

 始まりは昭和22年、喜美子が9歳のとき。元気いっぱいな喜美子(川島夕空)は、父の常治(北村一輝)と母のマツ(富田靖子)、そして二人の妹と大阪から信楽へやってきた。貧しくも楽しい生活を送るなか喜美子は信楽焼と出会うが、学校へ通いつつ、妹たちの面倒を見て家事を手伝うことで精いっぱいの日々を過ごしていた。

 そんなある日、喜美子は父が連れてきた満州からの引き揚げ者の草間宗一郎(佐藤隆太)と出会う。草間から絵の才能を褒められながら、人として大切なことを学んで成長していく。

喜美子は大阪へ!

 それから5年、喜美子(戸田)は中学卒業を控えていた。常治は高校進学を認めず、同級生の照子(大島優子)の家業である丸熊陶業への就職も叶わず、喜美子は常治が見つけてきた故郷・大阪での仕事先で働くことに。照子と信作(林遣都)、幼なじみと泣き笑いの最後の時間を過ごす。

 大阪で働くことになった喜美子の勤め先は、下着デザイナーの荒木さだ(羽野晶紀)が営む下宿屋。新聞記者の庵堂ちや子(水野美紀)、医学生の酒田圭介(溝端淳平)たち個性豊かな住人と出会う。女中として大久保(三林京子)に鍛えられること1か月、喜美子が初めて貰った給料はたったの千円だった……。

ほろ苦い初恋も

 ある日、ちや子が働く新聞社を訪れた喜美子は、散らかった社内を手際よく片づけ、引き抜きの打診を受ける。しかし、大久保に認められたいと思い、留まることを決意。それから2年半、喜美子は女中仕事の全般を任されるまでになっていた。

 一方、下宿人の圭介があき子(佐津川愛美)に一目ぼれ。喜美子は自分の思いに気づかず、その恋に協力を申し出る。恋が実った圭介とあき子が荒木荘にやってくると、ちや子に指摘されて喜美子は自分の恋心に気がつく。そして、あき子に促された圭介は荒木荘を去り、喜美子の初恋は終わりを告げた。

再び信楽へ!

 常治の嘘で信楽に呼び戻された喜美子。実家の事情を知り、美術学校への進学を諦めて帰郷を決意。大阪に戻り、大久保から女中としての仕事ぶりを認められつつ、涙ながらに送り出される。信楽に帰り、喜美子は丸熊陶業で働くことに。

 絵付け火鉢に興味を惹かれ、深野心仙(イッセー尾形)に学びたいと志願する。信楽に現れたちや子の前で喜美子は絵付けへの思いがあふれ、大泣き。しかし、喜美子は日本画家だった深野が従軍画家を経て、平和の象徴のような絵付け火鉢に出会ったという話を聞き、彼に学びたい思いを強くする。飲み屋で常治と深野が出会った翌日、喜美子は深野の9番目の弟子となったのだった。

運命の出会い!

 そこから3年、家族の助けもあり、喜美子は火鉢の絵付け技術の習得に明け暮れている。あるとき、喜美子は新聞社の取材を受けるが、マスコットガールとしての虚像を演じさせられる。そのことに腹を立てているのが、新設された商品開発室にやってきた美術大学出の青年・十代田八郎(松下洸平)だった。

 尊敬する深野のことに一切触れない記事が許せなかったという八郎の話を聞いた喜美子は、彼のために絵を描く。二人の距離が近づくなか、丸熊陶業の社長が急死。深野も信楽を去ってしまう。喜美子は丸熊陶業に残ることを決心し、火祭りの夜を迎えた。喜美子は大きなたいまつを担いで歩き、八郎と並んで神社にお参りをする。

 秋になり、喜美子は八郎に陶芸を教えてもらうことに。ある日、川原家にやってきた八郎に、喜美子は「好きや!」と告白して抱きしめられる。しかし、その瞬間を常治が目撃し、激怒。一方、八郎の家で二人は将来への思いを一つにする。

 ある日、八郎はあいさつを許されるが、常治は自分の人生を引き合いに、八郎に陶芸家の夢を諦めてほしいと頭を下げる。喜美子の反発もあり、常治は八郎が陶芸展で賞を取ることを条件に、二人の結婚を許す。やがて八郎が受賞を果たし、そのお祝いと喜美子との結婚祝いの夜、常治は心から八郎を受け入れる。

常治との別れ

 昭和40年夏喜美子は27歳になり、八郎との間には4歳になる息子がいる。独立した二人の作業場も完成しており、八郎が作品づくりに勤しむかたわら、喜美子は食器をつくって家計を支える忙しい日々を送る。

 常治の体調が悪く、もう長くないことがわかると喜美子は衝撃を受ける。家族みんなで絵付けした皿をつくり、マツタケご飯をのせて常治を励ます。常治は息を引き取り、喜美子は気丈にふるまう。葬儀を終え、信楽にジョージ富士川(西川貴教)が。自由なものづくりについて語り、喜美子に自らの作品をつくりたいという気持ちが芽生えていく……。

 出会いや別れのなかで成長してきた喜美子。八郎との関係もしだいに変化を見せつつあるが、後半戦を期待して迎えたい。(編集部・大内啓輔)