そごうのロゴ。(c) 123rf

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 そごう神戸店の神戸阪急への屋号変更に続いて、そごう西神店、徳島店、川口店の閉鎖が発表され、老舗百貨店そごうのロゴ“SOGO”がまた消える。

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 最盛期には20店舗を超え「そごう王国」とも言われたが、その店舗は現在7店。2021年には4店が残るだけとなる。人口の減少や人手不足、インターネット通販の普及などを背景に、流通業界を取り巻く環境は厳しく、長年のそごうファンもその先行きに気をもんでいる。

 10日、セブン&アイ・ホールディングスは「グループ戦略と事業構造改革について」を発表したが、傘下のそごう・西武関係では、そごう西神店と徳島店を2020年8月、川口店を2021年2月にそれぞれ閉鎖することを明らかにした。同時に人員整理も実施する。

 そごうは、神戸・三宮の神戸店を2018年10月に阪急阪神のエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングに譲渡。今年9月に85年余の歴史を閉じたばかり。10月5日、神戸阪急に看板が変わった。一時は地域1番店にもなったが、1995年の阪神大震災で損壊し、大丸神戸店にその座を譲っている。

 地域ごとに別会社方式で出店を拡大していた、そごうグループ22社は2000年7月、バブル経済崩壊のあおりをうけ、東京地裁に民事再生法適用を申請。負債1兆8,700億円を抱えて事実上倒産した。再生手続きでは9店舗を閉鎖し、生き残りを図った。

 その後、西武百貨店との統合を経てセブン&アイ・ホールディングスの子会社になった。しかし、その後も八王子店、呉店、柏店と閉鎖が相次ぎ、2005年に新装開店した心斎橋本店もわずか4年で閉店し、大丸に売却された。そして現在、大宮、千葉、横浜、広島の4店舗と、今回閉鎖が発表された西神、徳島、川口3店の計7店が営業を続けている。

 そごうは、1830年(天保元年)十合伊兵衛が大阪で開業した古着を扱う大和屋が前身。戦後の1960〜61年に経営権争奪戦のあと就任した水島廣雄社長が多店舗展開し、店舗網を急成長させていった。