スウェーデンでの米朝交渉が決裂し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が訪韓する可能性が低くなったが、与党では釜山で来月開催される韓・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議で「北朝鮮開発銀行」設立を公式議題にする案が検討されていることが分かった。当初、「新南方政策」の一環として推進された韓・ASEAN特別首脳会議だが、韓・ASEAN協力という当初の目的とは異なり、北朝鮮問題に埋もれてしまうのではないかとの懸念も出ている。

 与党・共に民主党所属の呉巨敦(オ・ゴドン)釜山市長は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今年2月に釜山を訪れた時、「北朝鮮開発銀行設立を首脳会議の議題として採択してほしい」と建議していた。

 北朝鮮の非核化を前提にして北朝鮮が開放された場合、社会基盤施設の開発に必要な10兆ウォン(約9000億円)規模の支援資金を事前に造成し、そのための北朝鮮開発銀行を釜山に誘致しようという趣旨だった。ASEAN諸国の首脳らが出席する韓・ASEAN首脳会議を機にこの問題を提起すれば、国際社会の関心を集められるという構想を釜山市は持っていた。文在寅大統領はこの時、呉巨敦市長の提案に前向きな反応を示したという。

 青瓦台と外交部は間もなく韓・ASEAN特別首脳会議の議題選定作業に入る。この過程で、北朝鮮開発銀行問題も含まれるかもしれないというのが、政府や複数の与党関係者の説明だ。

 青瓦台では「まだ議題が決まったわけではないし、北朝鮮開発銀行も公式に検討されたわけではない」と話している。