フェンシング日本代表の宮脇花綸さんが、8月8日(木)放送のTOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」にゲスト出演。パーソナリティのとーやま校長とあしざわ教頭が、フェンシングを始めたきっかけや結果を出すまでの努力、これからの目標を聞きました。



宮脇花綸さんは現在22歳。2018年に開催されたジャカルタ・アジア大会フェンシング女子フルーレ団体で金メダルを獲得。2020年の東京オリンピックにも期待がかかっています。

――2020年に向けて、選考レースを1年かけて戦っています

とーやま校長:宮脇先生は、いつぐらいからフェンシングを始められたんですか?

宮脇:5歳からやっています。

とーやま校長:きっかけは何だったんですか?

宮脇:最初は、お姉ちゃんが剣道をやりたいって言ったんですけど、家の周りにできる所がなかったんです。でもなぜか、家から5分の所にフェンシングができる場所はあって。で、姉と母はすごく適当なので、海外版剣道ってことでいいっしょって……(笑)。

あしざわ教頭:すげぇポップな感じで(笑)。

宮脇:まず姉が始めて私はその送り迎えをしていたんですけど、物心ついたら剣を握っていたっていう感じですね。

とーやま校長:今22歳で17年続けてこられたわけですけど、楽しいですか?

宮脇:楽しいですね。私あんまり運動神経が良くないんですけど……。

とーやま校長:でもそんな人が金メダルは獲れないでしょ。

宮脇:走るのとか遅いんですよ。背も、海外の選手と比べると低いんですよね。海外には190cmの選手とかいますけど、私は161cmなんです。フェンシングって階級とかないのでそういう選手とも対戦するんですけど、勝てるんですよね。自分より背が高い選手とかスピードがある選手にも、自分が得意なところを使って勝てるので、そういうところが面白いなって思います。

とーやま校長:そして、今はフェンシング日本代表?

宮脇:そうです!

とーやま校長:2020年まで1年を切ってるじゃないですか。ここに向けてどのような状態なんですか?

宮脇:まず日本の代表として出られるように、いま選考レースを1年かけて戦っているところです。

とーやま校長:1年!? 1年かけてずっとプレッシャーと戦い続けるって、半端なくないですか?

宮脇:半端ないですね。今はちょっと苦しいというか、思ったようにいかない部分もあるので……ちょうど折り返しなんですけど、後半戦がんばるぞっていう時期ですね。

――挫折、挫折。大変なことの連続ですね

とーやま校長:気持ちの切り替えは、どうされているのですか?

宮脇:休みとそうじゃない時期がはっきりしているんです。今は夏休みなんですけど、わりとまとまって1ヵ月とか取れるので、そういうときはバーッと休んで、またチームの練習が始まったらガッツリやるっていうメリハリがついています。

とーやま校長:勉強と部活の両立がなかなかできないという生徒(リスナー)もたくさんいるんですけど、キッパリ分けているのですね。

宮脇:時間で、とかハッキリした切り替えがないと、なかなか心の整理がつかないと思いますね。小さいころにはずっと練習ばっかやってたようなときあったんですけど、どうしても遊びたいとか友達との時間を大切にしたいっていう風になっちゃって(笑)。練習の質を上げるためにも、自分の時間を取るっていうのが自分に合っているのかなと。

とーやま校長:実際に金メダルを獲られたりされてるわけですけど、順風満帆でないときもあったわけじゃないですか。「ここ乗り越えられるのかな……?」っていう瞬間もありました?

宮脇:スポーツなんて1人しか勝者がいない世界ですから、大会に出たらほぼ負けですよね。1位以外は、っていう意味だと、もう挫折、挫折。大変なことの連続ですね。

――太田雄貴さん(日本フェンシング協会会長)との出会い

とーやま校長:どうやってここまでたどり着いたんですか?

宮脇:一番大きなきっかけは、フェンシングでオリンピックで日本人として初めてメダルを獲った太田雄貴さんと出会ったことですね。高校1年の冬だったんですけど、私はそのときちゃんと学校に行って勉強もしてたし、このまま薬学部とかに行って普通の人生を送ってもいいなって思ってたんですね。フェンシングの選手って日本一になってもちゃんと食べていけるかもわからない、ハイリスクローリターンな世界だと思ってたんで、なかなか自分の中で踏ん切りがつかなかったんですよ。けどそのときに太田さんに会って、いきなり『オリンピックでメダルを獲るためにはどうしたらいいか』みたいなことを、ワーってマシンガントークで……(笑)。

とーやま校長:いきなりトップギアで来た?

宮脇:はい(笑)。そのときに予定表を書かされたんですよ。『4年後・8年後にオリンピックがあるけど、そのときにどうしたいのか』っていうのを最初に書いて、その後に『1年後・半年後・1か月後、どういう自分でいたいの?』とかを全部書かされて。赤ペンでチェック入れて、「そのためにはどうしたらいいのか」ってことを、ワーッとやらされて(笑)。そのときに、『こういう風にして夢って叶えるんだな』って教えてもらいました。

1ヵ月後までにこういうことをしたいとか、小さな目標を達成していくと自分の自信になって、フェンシングをちょっと頑張ったら結果とともに応援してくれる人も増えて……っていう良い循環もできたんです。そのときが、私の人生のターニングポイントかなって思います。

とーやま校長:太田さんの話を聞いて、実際にやってみようって思ったわけじゃないですか。それもすごいなって思いました。

宮脇:太田さんの説得力ですよね。この人はメダルを獲るべくして獲ったんだな、ってすごく思ったっていうか。逆にここまでしないとメダルって獲れないんだな、っていう熱量や真剣さみたいなものを感じました。

――リスナーの夢報告と質問にアドバイス

【僕の夢は鉄道の保守員になること。鉄道を利用してくれる方々に、安心で快適な鉄道の旅を与えられたらなと思っています。しかし今は部活や勉強など忙しく、さらに自分には自信があまりないので達成できるか不安です。どうすれば自信を持てるのですか?(16歳男性)】

宮脇:私の自信の持ち方は、目標の前に思い描いた通りの準備をして試合に臨むこと。それともう一つは、世の中に“100%”とか“絶対”って存在しないですよね。だけど1%でも90%でも可能性があったら、その可能性を自分で信じてやる。これが私の自信の持ち方ですね。

とーやま校長:花綸先生って22歳ですよね? 人生何回かやってる? お話を聞いていると、一つひとつに核心があると思うんですよ。

あしざわ教頭:迷いがないですよね。

宮脇:早くからスポーツに出会って自分の中で葛藤を何回もしてきたので、ある程度みんなが通るような悩みは私自身も経験して乗り越えてきてはいます。なので、それに対するアドバイスは、ちょっとでもできるのかなって思いますけど(笑)。

とーやま校長:強い言葉を持つとか、経験をたくさんすることは本当に大事だなと思いました。東京オリンピック、応援しています!

宮脇:皆さんに、いい報告ができるように頑張ります!



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<番組概要>

番組名:SCHOOL OF LOCK!

パーソナリティ:とーやま校長、あしざわ教頭

放送日時:月〜木曜 22:00〜23:55・金曜 22:00〜22:55

番組Webサイト ⇒ http://www.tfm.co.jp/lock/