売れ筋アイス「トップ200商品ランキング」2019

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スーパーマーケットで売れているアイスとは?(東洋経済オンライン編集部撮影)

本格的な夏が到来してきた。この時期にスーパーマーケットやコンビニでよく売れるのが、アイスクリームだ。アイスクリームは日本で発売されてから約150年が経過しようとしている。

少子高齢化の進展によってアイスクリームのような氷菓市場は減少傾向にあるのではないかと思ってしまうが、日本アイスクリーム協会によれば「アイスクリーム類及び氷菓販売金額」は2007年が約3700億円だったのに対し、2018年は5186億円と7年連続の増加となり、この10年で1.4倍に拡大した。

一般的に「アイスクリーム」と呼ばれる商品は、乳成分の量によって以下の4つに分類される。食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」と「食品、添加物等の規格基準」の2つの法律によって定められている。

種類別 アイスクリーム(乳固形分15.0%以上 うち乳脂肪分8.0%以上)

種類別 アイスミルク(乳固形分10.0%以上 うち乳脂肪分3.0%以上)

種類別 ラクトアイス(乳固形分3.0%以上)

種類別 氷菓(上記以外のもの)

アイスクリームは冬場でも売れる?

ところで、アイスクリームは何月に売れるのだろうか。最も売れるのは夏だが、実はアイスクリームは、絶対的な気温よりも、昨日よりも温度が上がった際に欲しくなる傾向がある。コンビニやスーパーマーケットでは、年中アイスクリームを置いている。

筆者は5000万人規模の消費者購買情報を基にした、True Dataのデータベースドルフィンアイを使って、主要な全国のスーパーマーケットのPOSデータを基に、アイスクリームの季節ごとの売れ行きを調べてみた。


100万人がスーパーマーケットに入店したとして、その100万人単位でアイスクリームの売上金額を調べてみると、ピークの7〜8月は1600万円前後なのに対し、11〜2月は同600万円程度まで下がり、3月から上昇傾向に入る。冬場と夏場ではアイスクリームの売れ行きにざっと2.6倍ぐらいの差がある。

同様のデータを使って、市販アイスの売れ筋をブランド・商品別に調べてみた。True Dataの定義に沿って単品の「パーソナルアイス」だけでなく、複数本が箱に入った「ファミリーアイス」やハーゲンダッツのような「プレミアムアイス」も含めて、売れ行き上位200商品をランキングにした。2017年にも上位100商品のランキングを紹介したことがあるが、最新版となる。





例えば、6個入りのものと、1個のものでは、単価が違う。だから、6個のほうが有利のように感じるかもしれない。それでも、売り上げが高いのは事実なので、そのまま比較することにした。6個入りといっても、6で割ってはいない。それに、単価が高くても売れる/売れないは、その銘柄の訴求性によるはずだ。

トップ5商品は以下のとおりだった。

1位 チョコモナカジャンボ 150ml(森永製菓)

2位 エッセルスーパーカップ 超バニラ 200ml(明治)

3位 PARM チョコレートバー 55ml×6(森永製菓)

4位 パピコチョココーヒー 80ml×2(江崎グリコ)

5位 ハーゲンダッツミニカップ キャラメルバタークッキー 110ml(ハーゲンダッツジャパン)

テレビCMでよく見かける定番商品が目立つ

上位はいわゆる「定番」のテレビCMで商品名やブランド・企業名をよく見かける商品も多い。「チョコモナカジャンボ」は定番だし、「エッセルスーパーカップ」「あずきバー」「ジャイアントコーン」なども、国民食といっていい。

それにしても瞠目すべきは、1位の「チョコモナカジャンボ」の強さだ。平均売価89円であるにもかかわらず、売り上げは圧倒的と言える。2年前のランキングでも商品・ブランド別のトップを飾っており、不動の強さを持っている。プレミアムアイスカテゴリーに入るハーゲンダッツも高単価ながらよく売れている。

アイスクリームは、暑い日常にささやかなブレイクを与える、「コト消費」の側面を持った商品でもある。喜ばしいことではないが温暖化の影響で平均気温が上昇している以上、アイスクリーム市場は今後も拡大する可能性がある。そんな難しい話は抜きにしても、7月の炎天下と熱帯夜を考えると、私はアイスクリームを買いに行きたくなる。