先進7カ国(G7)は17、18日にフランス・シャンティイで開く財務相・中央銀行総裁会議で、米交流サイト大手フェイスブック(FB)が計画する暗号資産(仮想通貨)「リブラ」の規制を議論する。

 リブラは各国の金融政策への影響やマネーロンダリング(資金洗浄)防止策、リスク管理体制のあり方など課題が多く、会議で論点を洗い出し、規制の態勢作りに着手する。(山口暢彦)

 G7の閣僚会議でリブラを議論するのは初めて。 閉幕時には共同声明を出さず、議論の内容をまとめた議長総括を出す方向で調整する。

 リブラはフェイスブックが2020年前半に始める独自のデジタル通貨で、フェイスブック利用者間でインターネット上で送金したり、買い物の決済に使ったりできる。ドル、円といった法定通貨と一定比率で交換できるため、価格に安定性があるとされる。

 ただ、世界に27億人いるフェイスブック利用者の間で普及が進めば、世界経済への影響は大きいとみられるため、G7会議でも対応を検討することにした。

 想定される課題は、リブラの流通が増えることで、各国が自国通貨で行ってきた金融政策に何らかの影響が出ることだ。また、外国為替市場の変動につながる恐れがあるほか、信用の低い通貨を持つ途上国で代わりにリブラが使われるようになり、その国の経済に大きな影響が出る可能性も予想される。

 資金洗浄やテロ資金への流用防止策、個人情報を守るといった消費者保護のあり方も課題で、G7会議では今後どういう形で検討していくかなどを話し合う。

 一方、G7会議では、巨大IT企業の課税逃れの防止に向けた「デジタル課税」の新しいルール作りについても議論する。

 議長国フランスでは今月11日、同国内でのネットビジネスの売り上げの一部に課税するデジタル課税法が成立。米国はこれを米巨大IT企業を標的にした不当なものだと批判し、調査する方針を示している。G7会議でもフランスのデジタル課税が取り上げられる可能性がある。

 このほか、先進国内の不平等の解決に向け、給与格差の解消も議論する予定。日本は正規雇用と非正規雇用の賃金格差などを、取り組むべき重要な課題として挙げる考えだ。