ロッテ・香月一也、一振りにかける思い「初球から振っていかないと意味がない」
![ロッテの香月一也](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/0/e/0e04a_1424_28fb9d7e_69fc3ab5-m.jpg)
昨季は二軍でチームトップタイの12本塁打を放ちながらも、一軍の出場がなかった。プロ5年目を迎えた今季はオープン戦で一軍を経験したが、開幕は二軍スタート。「いつ呼ばれてもいいように準備はしてきました」と二軍戦では3試合連続無安打という試合はなく、コンスタントに安打を重ね、一軍昇格に向けてアピールを続けるとともに、「ファームだったらずっとスタメンで使ってもらえましたが、(一軍では)少ない打席の中でモノにしていかないといけない。ファームの1打席目とかは、代打のイメージでやっていましたね」と一軍を想定し打席に入るなど工夫した。
今季一軍初出場となった5月24日のソフトバンク戦は代打で登場し、三邪飛に倒れたが、同月28日の日本ハム戦では9回二死一塁から代打で、守護神・秋吉亮が投じた初球のストレートをバットを折りながらも、気持ちでライト前に運んだ。「代打なのでボールを見るとかよりも、初球から振っていかないと意味がない。ただ振るじゃなくて、ストライクゾーンをしっかり振っていくイメージでやっています」と、初球から積極的にバットを振っていくことを心がける。また、2年ぶりに一軍の試合で“H”のランプを灯したが本人は「久しぶりだなという感じです」と久々のヒットに浮かれたり、喜んだりすることはなかった。
昨年は後輩の平沢大河、安田尚憲が一軍へ上がっていく中、ファームで悔しい思いをしてきた。それでも、腐らず黙々とその時に備えバットを振ってきた。その姿を多くのマリーンズファンも、ロッテ浦和球場などで見てきたのではないだろうか。
1打席で結果を残すため、打席内でなんとか出塁しよう、打ってやろうという気迫、必死さがこちらにも伝わってくる。ようやく巡ってきたチャンス。この好機を活かし、一軍定着への足がかりにしたい。
取材・文=岩下雄太