川島がキンテーロのグラウンダーショットを防ぎ切れず、一時は同点に追いつかれた【写真:Getty Images】

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2002年日韓W杯の英雄が、日本対コロンビア戦の解説で語った言葉が注目される

 ロシア・ワールドカップ(W杯)のグループリーグ初戦で、日本が強敵コロンビアを2-1で破ったことは、韓国でも大きな話題となっている。

 特にMBC、SBS、KBSのテレビ局3社が試合を一斉に生中継するほどの注目度で、視聴者もどのチャンネルを見るか迷っていたに違いない。その中でも最も視聴率が良かったのがMBCで、「5.9%」もあったという。この数字を引っ張ったのが、解説を務めた元韓国代表FWアン・ジョンファン氏だ。

 2002年日韓W杯ベスト4進出の立役者であり、大会後にはJリーグの清水エスパルスと横浜F・マリノスでプレー。日本での知名度も高い同氏によるコロンビア戦の解説コメントが、韓国で話題となっている。

 経済紙「ソウル経済」によると、アン・ジョンファン氏は「(日本の結果を受けて)明らかに韓国と比較する方が多いと思うが、サッカー選手としてはとても気に障る。(韓国代表選手を)バカにするファンも多いかもしれないと思うと、かなり心配だ」と話したという。

 W杯初戦の韓国と日本の結果を比べて、自国選手のことを嘆くファンが増えないかをとても心配している様子。その上でアン・ジョンファン氏は、「韓国の選手はもっと刺激をもらえばいい。サプライズが起こる大会なので、メキシコ、ドイツ戦でもそれは十分に可能だ」と語り、母国代表の勝利を願っていた。


母国代表にも厳しいコメント「韓国の守備は“鬼ごっこ”だ」

 さらに少々辛口な表現もあったようで、これが視聴者を引きつけ、韓国メディアは“アン・ジョンファン語録”と表現している。

 例えば、日本のGK川島永嗣が前半39分のFKの場面で、相手キッカーの壁下を通したニアサイドへのシュートを防ぎきれずに決められると、「ゴールラインとボールの間に高速道路を作れますよ」と表現したり、日本の守備の良さが光れば「昨日(スウェーデン戦)、韓国の守備は“鬼ごっこ”だった。泥棒のように逃げるスウェーデンを追いかけるだけだった」と母国代表を厳しく批判した。

 日本のサッカー中継でも独自のスタイルを確立して人気を博す解説者はいるが、韓国ではアン・ジョンファン氏のコメントが注目されており、W杯の関心を高めるうえで一役買っているのは間違いなさそうだ。


(金 明碰 / Myung-wook Kim)