世界ランキング7位ドミニク・ティエム【写真:Getty Images】

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ATPワールドツアー企画、クレーの今季「NO1ホットショット」に23歳の新鋭が輝く

 クレーコートシーズンを迎えたテニス界。赤土の上で熱戦で繰り広げられ、数々の名シーンが生まれているが、ATPワールドツアーの公式サイトでは、直近大会から「ホットショット」を9つ選出し、ファン投票を実施。NO1には、世界ランキング7位ドミニク・ティエム(オーストリア)が見せた超速の「片手バックハンド」が「ゴールデン・ホットショット」として選出された。Youtubeで公開された動画では、ファンから「天才だ!」「クレイジーな才能」とコメントが相次ぎ、衝撃が広がっている。

 記事では、4月以降のモンテカルロ、マドリッド、ローマの3大会から選んだ9つのショットから、ファン投票によって「NO1ホットショット」を選出。1位には、5月のローマで披露したティエムのバックハンドが過半数の54%の支持を受け、見事選ばれた。

「ゴールデン・ホットショット」が生まれたのは準々決勝のラファエル・ナダル(スペイン)戦だった。

 ナダルのサービスから始まったラリー。巧みな緩いショットで、ティエムはサイドラインぎりぎりのネット際に誘い出され、かろうじてクロスに打ち返した。しかし、今度はナダルにガラ空きとなった反対サイドに打ち込まれた。絶対絶命のピンチ――。驚愕のショットが生まれたのは、誰もがナダルのポイントを予感した次の瞬間だった。

 踵を返して懸命にバウンドしたボールに追いつくと、体を反転させて右手一本のバックハンドで一閃。クロスに放たれた強烈なショットは、あまりの打球スピードの速さにネット際で腕を伸ばしたナダルもラケットに当てることができず。そのまま敵陣の対角線コーナーぎりぎりに入った。信じられないショットを目の当たりにしたファンは次々と立ち上がり、大歓声を上げた。

 仰天の動画はATPワールドツアーのYoutube公式チャンネルで紹介。ファンからは驚嘆の声が次々と書き込まれている。

「クレイジーな才能」と称賛続々…2位には日本でも話題の「背面ショット」も…

「天才だ! 確実に未来のNO1」

「彼こそがジュニア・ナダルだ」

「素晴らしい片手バックハンドを見るのが大好きだ…だから見られて嬉しいよ」

「ドミに心を奪われた…彼のクレイジーな才能は非常に素晴らしい」

「この男は多大な可能性を秘めている」

「クレーの王者」ナダルを相手にして、驚異のショットを繰り出したティエム。このまま試合に勝利し、ナダルに今季初めて赤土で黒星をつけた。そんな23歳の才能あふれる新鋭にファンも賛辞を惜しまなかった。

 また、2位にはパブロ・クエバス(アルゼンチン)がマドリードで見せたノールックの背面ショットがランクイン。日本でも話題を呼び、大会公式ツイッターでは「ショットオブザイヤー」と称賛されたミラクルショットが23%を獲得している。

 記事では「しょっちゅう練習しているわけではないよ。ただ、土壇場で打っただけだ。上手くいくだろうと思ったけど…普段あのようなショットにトライはしないよ」と振り返った本人のコメントを紹介している。

 なお、トップ9の投票結果は以下の通り。

キリオス、ナダルらランクイン…赤土の最高峰、全仏オープンでも注目の的

1位 ティエムのバックハンド(ローマ)54%
2位 クエバスのノールック・ウィナー(マドリッド)23%
3位 ニック・キリオスがダブルスで見せたウィナー(マドリッド)9%
4位 ナダルのありえない角度からのショット(モンテカルロ)7%
5位 ジャック・ソックの跳躍フォアハンド(ローマ)2%
6位 ダビド・ゴフィンのコート対角線上へのバックハンド(マドリッド)2%
7位 デルポトロの強力フォアハンド(ローマ)2%
8位 ジル・シモンの素晴らしい予測(モンテカルロ)2%
9位 ジョコビッチの守備範囲(モンテカルロ)1%

 28日にはクレーの最高峰、全仏オープンが開幕。日本のファンにとっては錦織圭(日清食品)の躍進が期待されるが、世界の名手たちが赤土の上で繰り出すトップレベルの技も注目の的だ。

 果たして、どんなショットでファンを沸かせてくれるだろうか。