左から佐々木 孝介監督(駒大苫小牧)、田中 将大(ニューヨーク・ヤンキース)

 現在ニューヨーク・ヤンキースで活躍している田中 将大投手の出身校である駒大苫小牧。2004年、2005年と夏の甲子園優勝連覇を果たし、一気に全国屈指の名門校へ成りあがった。その後も南北海道の雄として君臨する駒大苫小牧のつながりをみていきたい。

2004年から始まった栄光の歴史

 1964年に創立された駒大苫小牧高校。学校創立とともに野球部も創部した。甲子園の土を初めて踏んだのが、1966年の夏。それから35年ほど甲子園から遠ざかっていたものの、2001年の夏に甲子園に戻ってきてからは北海道の南地区代表として名を連ね、春夏通算10度、甲子園の切符を掴んでいる。

 甲子園初勝利、そして初優勝を飾ったのが、2004年の夏。決勝での打率は.448を記録し、大会新記録を打ち出した。翌年の夏も優勝を飾り、史上5校目、57年ぶりの夏の甲子園連覇を果たした。更にその翌年は史上2校目の3連覇をかけて37年ぶりの決勝再試合をするなど、野球界の歴史に名を刻んでいる高校である。

 北海道といわれ連想されるのが、“寒い” “雪” “暗くなるのが早い”などだろう。しかし、そんなことを言い訳とせず、屋外の雪上でのノック、真冬の紅白戦をひたすら練習メニューに取り入れた。「恵まれた地域のチームに負けない。絶対に言い訳をしない。」この言葉こそが駒大苫小牧野球部を強くしている。

 そして、駒大苫小牧が強くなるきっかけとなった試合は2003年の夏、甲子園初戦の倉敷工戦である。この試合、序盤で8対0と大量リードしたが降雨ノーゲーム。そして、仕切り直しとなった翌日の戦いで敗戦を喫し甲子園初勝利をつかめなかった。そんな悔しい経験をした選手たちはこれをバネに2004年の全国制覇へつなげていったのである。

 その後2007年夏を最後に甲子園から遠ざかっていたが、2013年秋、2004年甲子園優勝時の主将だった佐々木 孝介監督の下、選手たちは全道大会優勝を果たし、2014年の選抜出場につなげると、初戦の創成館戦では2年生右腕・伊藤 大海投手(駒大進学予定)が好投し、見事に完封。勝利の瞬間、大きくガッツポーズをした。

 再び甲子園で大暴れするために、ナインは佐々木監督の下、鍛錬を積んでいる。もう一度強い駒大苫小牧を見せてくれるか注目だ。

[page_break:近年の卒業生]近年の卒業生

 主な卒業生となると、やはり田中投手の名前が挙がる。しかし他でも高いレベルで活躍している選手が多く、その先輩たちを紹介していきたい。

■2007年卒・田中 将大(東北楽天ゴールデンイーグルス−ニューヨーク・ヤンキース)※2013年インタビュー・本間 篤史(亜細亜大−JR北海道)

■2009年卒・大累 進(道都大−読売ジャイアンツ)

■2010年卒・対馬 和樹(九州共立大−三菱日立パワーシステムズ横浜)

■2011年卒・今崎 淳次郎(関東学院大−室蘭シャークス)・落合 祐介(亜細亜大−NTT東日本)・中山 俊(東日本国際大−鷺宮製作所)・野澤 尚(苫小牧駒澤大−JR北海道)・飯田 篤史(苫小牧駒澤大−室蘭シャークス)

■2013年卒・鎌田 智海(駒澤大)・大石 悠介(関東学院大)・青地 功樹(駒澤大)

■2014年卒・林 大城(駒澤大)・青木 健太(駒澤大)

■2015年卒・中村 眞人(駒澤大)・釜谷 泰葵(函館大)・伊藤 優希(亜細亜大)

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