「社長の趣味」アンケート調査結果

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企業トップはオフをどう使うか。独自アンケートを実施。多くの社長がたしなむ“出世する趣味”から、驚きの“個性派趣味”までを大公開する。

■社長は夫婦で趣味を楽しむ

ゴルフは経営者のたしなみか。社長の趣味の1位はゴルフで、2位の読書・散歩にダブルスコアの差をつける。

はじめたきっかけを聞いたところ、「健康のため」と「仕事のため」がほぼ半々。土日も取引先とラウンドする経営者も多く、趣味といっても仕事抜きとはいかないようだ。

なかには「上司に誘われて」クラブを手にした人も複数いる。仕事だけでなく、オフの時間も上司と過ごすことが出世にはプラスに働いてきたのだろう。

2位には読書と散歩がランクインした。読書は幼少期より習慣化しているという経営者も多くみられた。

笹川スポーツ財団「スポーツライフ・データ2014」によると、散歩・ウオーキングは日本で競技人口が最も多いスポーツとされている。その数はなんと2000万人以上。散歩と回答した経営者の多くは健康維持を目的としているという声が聞かれた。一方で社長のなかには、愛犬を連れながら、あるいはカメラを携えてと、ほかの趣味と組み合わせてリラックスした時間をすごしている姿がみられた。

また、ある社長は散歩しながら「消費者のトレンドの変化を感じるようにしている」とコメント。歩いて気分転換しながらも、ビジネスのヒントを探す経営者ならではの楽しみ方をしていた。

今回の調査で、ユニークな趣味の1つが魚の調理。もともと魚が好物で、家でも美味しい魚が食べたいと思ったのがきっかけらしい。新鮮な魚を丸ごと1尾買ってきて、丁寧にさばく腕前はさすが。「三枚おろしも得意」という社長の晩ご飯をぜひいただいてみたいものだ。

意外と少数派だったのがテニス。30人中1人しかいなかった。ほかのスポーツに比べるとケガの多いことも影響しているのかもしれない。

趣味にかけるお金は1カ月3万円から5万円といったところ。趣味の中身とつき合わせてみるとゴルフをする人は5万円、映画鑑賞、芸術鑑賞、スポーツ観戦の場合は3万円が相場となっている。10万円程度の回答は4人。いずれもゴルフをしていて、運動系も芸術系もするというマルチに趣味をこなす人が高くなる傾向にあった。

趣味に使うのは土日が圧倒的。頻度としては週に1、2回が大半だ。平日は仕事に没頭し、土日は自分の趣味でリフレッシュして翌週の仕事に備えるというサイクルができている。

一緒の趣味を楽しむ人を「妻」と答えた社長が7人。「休暇中は家内と国内をドライブ」「妻孝行もかねて各地の美術館を巡る」と仲睦まじいコメントも。趣味を通じて、夫婦のコミュニケーションをとり、円満な家庭を維持することがひいては会社の中でトップに上り詰める一つの要件なのかもしれない。

■社長の“個性派”趣味

◆囲碁:DeNA社長 守安 功氏
沖縄でのG1サミットに参加した際、終了後のバーベキューのあとに移動した部屋に碁盤があり、陸上の為末大氏と打ったことがきっかけ。開始1年で有段となる。社内にも囲碁部を立ち上げた。

◆トライアスロン:ベネッセホールディングス会長兼社長 原田泳幸氏
体力の衰えを感じ、還暦の誕生日前にウオーキングからトレーニングをスタート。そこからランニング、自転車、筋力トレーニング、水泳とステップアップし、2回出場。フルマラソンも5回出場している。

◆絵画:協和発酵キリン社長 花井陳雄氏
幼少期から絵を描くのが好き。小型のスケッチブックを持ち歩き、休日や出張先でのオフタイムに30分ほどで仕上げる。社員向けのメッセージに自身で描いた絵を添えることも。

◆モータースポーツ観戦:NTTコミュニケーションズ社長 庄司哲也氏
少年期よりゴーカートに興味を持ち、サーキットへレース観戦に出かける。マシンの芸術的な造形美と、限界に挑戦するドライビングテクニックに心を躍らせている。自身でもドライブが趣味。

 

(Top Communication=文 的野弘路(守安氏)=撮影 YUTAKA/アフロスポーツ(原田氏)、getty images=写真)